吉本隆明
2009年08月31日
民主党圧勝を理解する言葉

2008年 吉本隆明「とにかく民主党を見てるといい」
だから小沢氏や鳩山氏が献金問題であげられても、そんなに影響がなかったのかとも思うわけです。また、左翼的な考えというのは、ちょっとラジカルなマニフェストにスパイスされていた。
「政権交代」というキャッチフレーズもわかりやすい左翼的な言葉だ。
「脱官僚主義」というのもわかりやすいスタンスだった。
民主党がこの対談を読んでたかどうかは別にして、今回の選挙展開状況は民主党にとってバッチリだったわけだ。
マスコミは民主党になって心配面をクローズアップしたがるが、吉本隆明は民主党が政権をとった時に「日本にとってはひじょうに普遍的な未来」につながると発言している。
日本にとっての第二の幕末、維新がはじまると考えていいと…
自分的には何度も吉本隆明から卒業しようと思ったが、昨今の金融危機のこと、政権のこと、と吉本隆明はかなり正確な判断を公に発表している。吉本隆明が生きている限り卒業できないのかなとも思う(笑)
これからマスコミの民主党叩きがはじまると思いますが(笑)民主党の発言に真剣に耳を傾けようかとも思う(笑)
2009年01月05日
ETV 吉本隆明 語る を見て

なんとも剽軽な表情にグロテスクなカタチ、生きてる必然性が全然感じられないので、余計に気に入ってしまった(笑)
海遊館近くのファミレスに入ったのは、11:00すぎだったがガラガラ状態。しかし出る頃には、何組も待っているほどの超満員状態。やはりここは人気の場所なのですね。肝心のペンギンパレードは、食事をしている頃で見られませんでした(笑)
夜、なんとなくTVを見ていると、NHK教育で「ETV 吉本隆明 語る」なんていう1時間半番組をやっていた。糸井重里がヘルパー、芸術言語論ということで、自分の生涯の太い軸を語っている吉本隆明がいた。車椅子、糖尿病など、あまり目にしたくない光景だったが、2000人の観客の層を見ると、昔と比べてかなり新しい層がいるんだなぁと感じた。
あいかわらずの吉本節、だんだん手が、てのひらを太陽に、状態になっていくのが不思議だった。
こんなにも世の中に影響を与えているのに、こういったTV番組となるのはおそらく初で、しかも老いた姿で登場するのを見ていて、ただただ悲しいばかりだった。
みんなで、いつ死んでもいい状態を作ってるなという感じさえする。
本人も、精神的にかなり整理をしはじめている感じもする。
今でも、対談なんかで現在時評を語っている時があるが、私の場合は、吉本隆明といえば、「情況への発言」とかシャープに情況を解説している時がいちばん好きだった。
今日のTVでも語っていたが、彼の世界認識の方法は、強靱に鍛えられてきたので、非常に魅力的だ。しかし魅力的すぎて、はまると抜けられなくなるほど魅力的なのがやっかいだ(笑)
今日、海遊館で見た魚類でいえば、吉本隆明っていうのはどんな存在かなと…。なんとかの巨人とか呼ばれているが、ジンベイザメのイメージではない。イトマキエイでもないし…
出口近くにいた、大きなタカアシガニ。あれかなぁ。海底で原則的なことをぶつぶついっている感じ。
吉本タカアシ と名前も似てるしって、それは関係ないか(笑)
2008年12月24日
マーケティングの前に大事なこと…

一時期、時代にそぐわなくなってきたと勝手に判断していた「吉本隆明」が今、糸井重里氏などのブロジェクトによって、再び丁寧に語り出し、現在をリアルに抉りだしている。
2008年2月時点で、世界大恐慌の可能性を語り出し、現在を第二の敗戦期と語り出したあたりは、今いちばん世界情況を把握している人物の一人だろう。
確かに昔も凄かった。
私の場合は、17歳の時に「言語にとって美とは何か」「戦後詩史論」と出会ってから、大学時代は東京でやる講演会にほとんど顔を出し、なんと30歳くらいまで過去のものから新刊、「試行」まで愛読していたから、ちょっとマニア領域に入るのだが、彼が伊豆でおぼれかけてから、パタンと自分の中で吉本隆明離れが始まった。時たま本やインタビューには目を通していたが、いやあ、やっぱり視点がズレはじめているという印象が強くなった。それは、いつまでも彼に影響されていてはいけないという思いも強かったし、自分なりに物事を判断できるようになっていたからだろう。
ほぼ日あたりに、吉本隆明をひっぱり出している光景も本当はあまり好ましくは思っていなかった。好きだよねぇ、あの世代っていうか、ダシをとった後にダシをとっているような気がして…
しかし、そんなことを繰り返しながら、確かに老いてはいるが、糸井重里がリハビリの理学療法士のような役割となって、淡々と昔からの流れで、現在をきちんと語り出しているあたりは、あらためて凄さを感じるが、糸井重里も吉本隆明を本当に愛しているのだと思う。
彼の言う、第二の敗戦期、第二の産業革命期と精神病・神経障害の関係性や、アメリカや中国にできない、この時期の乗り越え方は具体的に見えないが、この時期をブレークスルー可能性があるのは日本だけだと示唆しているのは、なんとなく、今の時代、勇気づけられるような気がする。
また、第二の産業革命は、第二次産業の構造を大きく変革しつつある。サプライチェーン、グローバルバリューチェーンなどいろんな進化形があったにしても、この時期になってトドメを刺された感がある。
そしてニュースなどでは、変な庶民意識から、消費税率アップに反対のような姿勢をとっているが、フツーに考えれば、所得税などなくして、消費税を大幅にアップする方が今の日本の産業構造・人口構成からいって理想なのは誰もが解ることだと思う。
第二次産業の雇用問題と消費税の問題が同時に出てきているのは、何も偶然でもなんでもない。二つは密接に絡み合っており、どちらも善悪問題として止めることはできない。
政治・経済の問題ももちろんだが、マーケティングがいかに手法だけでは成立しないかがわかる。景気後退期と捉えたマーケティングも既に存在するが、やはり、おかしい。
景気後退のおかげで、パティシエのスイーツからもっと素朴なスイーツが流行るでしょう、なんていうのは既にTVでやっていた。本当に情けないと思う。
第二の産業革命期ということは、景気後退期といわれる中でも着実に堅実に利潤をあげていっている分野があるということで、そちらに目を向けない限り、あらゆるマーケティングは不可能であると思う。
スイーツを例にとると、単なる価格の問題と捉えるのか、産業構造変革からくる精神的なものととらえるか、ロールケーキを形体の問題と捉えるのか、合理性の問題と捉えるのか、で考え方はガラッと変わってしまう。
今の風潮でいえば、高単価商品はすべてブーということになる。しかし、それでは東京ディズニーの今年の好調ぶりは説明できないだろう。サービスの質を極度に上げている場所。第二の産業革命の場所とは別にインターネット関連ということではない。第三次産業を超えて、第四次の可能性と夢を提供している場所にあらゆる可能性があるのだと思う。
ブランド品が売れなくなった。のではない。ブランド品であろうが、ノンブランド品であろうが、ネクストの夢を示せているものは、これからもどんどん売れ続けるのだと思う。
ネクストの夢。それを具体的に示し、買う価値を示すこと。それがこれからのマーケティングなのだと思うが、当分は、不景気の残像ニュースが主流をしめ、平均的な庶民などいなくなったにもかかわらず、庶民の味方を装う情報が主流をしめていくのかなと思う。
その流れを細かく見ていくためにも、老いてしまった吉本隆明の発言も期待したいものです。
彼の絶頂期の講演で「僕がダメになったら、ちゃんと両手を挙げる、まだまだ大丈夫だ」というセリフがありますが、まだ両手を挙げていないところを見ると、まだ信頼できる部分が多いような気もする。
マーケティングベースに吉本隆明を必要とする、というのもおかしな話かもしれませんが、この難解な時代、ないことはないと思います。