今どきのメッセージ論

2010年05月16日

AKB48はネット社会でなぜ支持されるか?

yuhi数日前からPUFFYのTwitterが始まったが、スタッフコメントとともに、アミちゃん・ユミちゃんもメッセージし、今後より楽しいコミュニケーションツールになるなとフォローもした。ミュージシャンにとって、番組のこと、CDのこと、コンサートのこと、Twitterは本当に重宝なミニメディアだと思う。

そして何故かAKB48のTwitterやAmebaなうを見ていると、非常につぶやき頻度が高く、コマメに収録のことや、今はまってること、ありがとうのメッセージを発信している。あっちゃんが「こんな時間に目覚めちゃった」とか、これはファンにとってはたまらないものなんだろうなと想像しつつ…

俳優の田辺誠一さんのつぶやき頻度にも驚くが、AKB48などはかなりハードなスケジュールにもかかわらず、合間あいまに書いていて、 曲数を減らしてまで握手会を丁寧にこなす姿勢につながるなと思った。

AKB48のプロモーションのやり方を見ていると、Twitterはもちろん、ブログ、ホームページ、Youtubeを上手く活用して、複雑系さながら自己組織化のようなネットワークを編んでいるようにも見える。そしてファンに対するメッセージが熱くもの凄く丁寧だ。

あっちゃん、前田敦子が総選挙で1位になった時のムービーを見たが「私なんかがこの位置になっていいんですか?」「私の人生はAKB48に捧げることに決めたので、皆さんに恩返しできるようにがんばりますので、応援よろしくお願いします」と涙ながらにコメントしている。人生を捧げる、恩返し、という言葉はかつてのアイドルからは出てこない言葉だ。

彼女らは人気に火がつくまでは長く、双方向のコミュニケーションを大切にすれば、いつか…という気持ちでやってきたので、相手、ファンの気持ちを充分に考えられるアイドルに育っていたのだと思う。

一日警察署長で車の上から手を振っている時も、「あっちゃん」という声が聞こえれば、すぐそっちを向いて、笑顔をつくっていた。

おニャン子クラブ、モーニング娘、とAKB48の決定的な違いは、初速にTVの力を借りなかったことだ。今でこそ、CMやバラエティに出てても、夕焼けニャンニャンやASAYANなどの番組を持たずに秋葉原劇場で勝負してきた。

対面のコミュニケーションを大切にしながら口コミツールとしてネットを最大限活用した。よくネットのバズを利用する時、オートマチックに考えがちだが、口コミやバズの発生元には人と人との感動があってはじめて太い口コミやバズが広がる、よく考えれば当然のことなんだが…。

逆に言えば、ネットコミュニケーションの根本で大切なのは、人と人との関係性にどれだけ重点を置いているかであり、AKB48はそのことを教えてくれているような気がする。

AKB48のライブ映像で最も凄いと思ったのは

前田敦子が「みなさ〜ん、今空には綺麗な夕焼けが見えます。こんなに素敵な景色をみなさんと一緒に見ることができるのは、本当に、本当っにぃ、幸せなことだなって思います」 と言いつつ

「夕陽をみているか?」という曲が始まる。この感動的な景色は映像からでも充分に伝わってくる。

夕陽が沈む空を見ているか?
今を受け入れること進むこと教えてくれる
失うことは何かを いつか必ず手に入れられること
辺は少しずつ暗くなり 夜を描く点線みたいな星たち
ねえ ちゃんと明日が来るまで 君は君らしく夢を見よう

AKB48のメンバーは、結構この曲を支えにしてがんばっていると聞く。秋元康さんもおニャンコの頃よりもフツーで深い気持ちをかぶせていたりする。

「失うことは何かを いつか必ず手に入れられること」

そう、信じて、CNET版「続・今どきのメッセージ論」 を本当に閉じたいと思います。

帰ってきた(笑)「今どきのメッセージ論」は、CNETの記事が消えてしばらくすれば

「今どきのメッセージ論」あるいは「snafkin7」でGoogle検索すると出てくると思います。

今回の記事は、「ブログは誰のものか?」という素敵な記事を書かれた藤代裕之さんに捧ぐとともに

あったかくて優しくて力持ちの読者ブロガーさんの皆様に捧げます。

もちろん、このブログは視点が変わっていて面白いと言ってくださっていた読者の皆様に捧げます。

恩返しはできませんが(笑)

では、みなさま、ハッシャバイ!!

2010.05.16 CNET JAPAN 掲載ラスト原稿

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2010年05月08日

CNETは、しーっネットになっちゃった。

0マ オリジナル版

今どき、ここまで沈黙するのは勇気のいることだと思う。だが、この沈黙は必ずしっぺ返しをくらう沈黙である。

リニューアルしてLet's何々〜と言っても、しらけてしまうからだ。今まで黙り込んでいて、何がぁ、別にぃ、となるのが普通である。

☆とばっちりで関係ないがまず毎日新聞の方から言っておく。
コッコちゃんがつぶやくのはまだいいんだけれど、6/1から毎日新聞がTwitter連携の日刊紙「MAINICHI RT」を東京、神奈川、千葉、埼玉で実験的に5万部発行するらしい。宅配のみ週6回発行、月額1,980円、横書きタブロイド判24ページ。毎日jpのアクセスランキングから人気のニュースを選び、Twitterと連携し、専用アカウント「@mainichiRT」とハッシュタグ「#mainichiRT」を用意して読者と交流、意見を募って紙面に掲載するとのこと。「読者がニュースだと感じたニュース」を最優先で伝えるのが目的らしい。

よせやい、やめとけ、と言っておきたい。何故、Tweetをわざわざ新聞に再構成する意味があるのか、新聞を購読しない若者ターゲットらしいが、Twitterを使ったからといって、こんなものに1,980円も払うわけがないし、なんでわざわざ紙屑みたいな環境に悪いペーパーを手にしなければならないのか、ホント馬鹿だ。Web上でやるならまだしも、どこでどうひっくりかえっても、こんな企画が受け入れられるわけがないのだ。単に売れなくなった新聞にTwitterをエサに再編しているだけではないか。新聞社というのは、もうそんなこともわからないほど、地獄の土を掴んでいる。

★次に、問題の朝日新聞
asahi.comを見ると、まだ「天声人語」などの政治も経済も自分で学習したことのないドアホが文章を書いている。有事に問われるのは、政府の大小ではなく、強弱だと…世界への危機の連鎖を防ぐためにはEUが一体となって強固な政治的意思を示すしかないだと…どこまでアンポンタンなのだ。すべては政治的な強いリーダーシップが解決できると思っている恐い人、いや天の声なのだ(笑)これくらいの文字数で悟りきったことを言うな。新聞も含め、こういう時代錯誤的なコーナーを大事にしている姿勢は編集のすべてに反映されている。
・記事よりも広告が馬鹿でかく読みにくい。ユーザビリティ0点
・加えてPR欄、タイアップが多すぎ、新聞編集と同じ感覚なのだろう。
・記事全体、タイトルが長く、本文も客観的すぎるのか、歯切れが悪く、ブログ記事などは、何故ブログと名称しているのかわからないくらい腐った文章だ。
NTT DATA系のツールでアクセス数を調べると、昨年夏より半数以上落ち込んでおり、まだまだ低迷していきそうな斜陽データとなっている。
本体がこれにして、いわんやイワンの馬鹿である(笑)CNETもこういう腐った世界にひきずられるのかと思うと、なんだか悲しいが、大勢の方が言うように時代の流れだとすれば仕方ない。

まぁ、こんなところで当然の毒を吐いたって仕方ないのだけれど、というかこういうメディア姿勢はほっておいても絶滅していくと思うので、まぁいいんだけど、こんな連中に、選別されたかと思うと、あまりに情けなく、しかも肝心な時に、一言もメッセージを発することができない体たらくに呆れるばかりです。ここまで言われて、メッセージできないというのはメディア失格ですよ。なんなら、あらゆる角度から論争してもいいですよ。CSRのかけらもないメディアなんて相手になんないんですけど…。

朝日ではなく、夕日ですね(爆)

こういう意見がネットでの本音の意見だと、思ってがんばってください。くれぐれもTwitterを悪用しないようにして欲しい。また、ブログもしかり。

Webコミュニケーションのねじれ現象

2010.05.05 CNET JAPAN掲載

以前にもチラっと書いたことがありますが、ブログに何か書いた時、そこのコメント欄やトラックバックを見るより、はてなブックマークや TweetBuzzのような場所を覗いた方が、本音というか(別にコミュニケーションを求めている場所ではないので)思ったことが自由に書かれていて面白い。

時々辛辣なことも書かれていたり、お前呼ばわりされているのだけれど(笑)それはそれでそういう場所なので面白いというしかない。

最近、トラックバックというブログ特有の欄が以前より動いていないところを見ると、ブログという形式そのものはもう山を下りる(下りてる)段階なのかなと思いはじめてきた。(気づくのが遅い?)

はてなやTwitterなどはホーム感覚の場所で、わざわざ掲示板やブログのコメント欄のようなアウェイの場所で何か書くよりは言いたいことを自由に書けるのでこういうことになっていると思う。上にも書いたが、別にコミュニケーションを求めているわけではなく、言っておきたい、つぶやきたいことを書く、のだと思う。

これはWebが成熟してきておこる、自然なねじれ現象なのかとも思う。

恋愛関係に例えると、健康的(不健康的)に向き合ってある時代が掲示板の時代、三角関係・四角関係のような時代がトラックバックのあるブログの時代、そこからまだ悟ってエロスの死(関係そのものはどうでもよく精神的な何かはつながっている) のような時代が、まぁ今なんでしょうかね。それはポジティブに言えば、ゆるい関係で何か言いたい時代なんでしょう(なんか強引に例えてますが・笑)

Twitter内、SNS内などホーム内ではそこまで冷めてないと思いますが、アウェイの場所では、どうせ言ってもしょうがないけど、どうせ通じないし、どうせコイツ馬鹿だしみたいなコゲパン感覚があるのだと思う。

んで、まぁ、これは自然にそうなっているんで、 Twitterを無理矢理、アウェイの場所に引っ張りこんだり、取り込んだりするのは、良くないんじゃないでしょうかという当然の意見になるわけですが…

ねじれたものはねじれたままサスティナブルに、というのもおかしいですが、なんか、もう、そういうところに来たのかなぁと…

もちろん共通の話題、共通の趣味、共通の何々で健全なWebコミュニケーションが盛んな場所もまだまだ多くあると思いますが…ちと冷めてきてますかね…と…自分が冷めてるだけかもしれませんが…

それで、今回の読者ブログの廃止についてのWeb上での(CNET JAPAN以外での) 意見をたくさん読みましたが、「残念だが、どっちもどっち」的なものが多かったですね。

おそらく、そうなのだと思う。


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snafkin7
30数年広告畑で畑を耕しています(笑)コピーライターでありながら、複雑系マーケティングの視野からWebプランニング、戦略シナリオを創発。2008年2月より某Web会社の代表取締役社長に就任。snafkin7としてのTwitterはこちらからどうぞ。Facebookはこちらから。
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