2016年01月01日
空白歌合戦2015から見えたもの

ジャニーズ事務所の方針のひとつに、“30歳を超えたらピンで雑誌の表紙に出ないこと”というのがあるが、これは本当に大切なことだと思う。ピンで表紙を飾ると、シワや老いがどうしても出てしまい、夢を壊してしまうというのがその理由だが、今年の空白歌合戦はこの点において酷かった。
イノッチの目尻のシワはまだいいにしても、森進一、松田聖子、高橋真梨子、五木ひろし、石川さゆり、藤あや子、坂本冬美などを見ていると、日本は本当に超高齢化社会に入ったんだなと実感させられた。黒柳徹子を総合司会にしているからこれは意識的なことかもしれないが、綾瀬はるかですら30歳で2年前の初々しさもなく、海街Diaryで共演していた長澤まさみの掛け合いでも、長澤ですら年食ったなという印象を受け、キンキラキンの舞台演出にも問題があるなと思った。ゴールドの反射光の中では、年老いて見えることがあるが、それにしてもすべての演出が古臭く、それが余計に出演者を劣化させて見えるように傾斜させていた。
また、いくら目玉がないからと言って、ネット文化に擦り寄って「千本桜」を歌う小林幸子にも吐き気がした。初音ミクの神聖な世界が壊れていく音がした(笑)
「イニシエーション・ラブ」や「さよなら歌舞伎町」で女優としてどうなのかと思い始めている前田敦子、「紙の月」で多少いい演技をしている大島優子がたかみなのためにサプライズ登場していたが、あまりにも違和感なくAKB48と一緒に歌っていたので、心理的には卒業しきれていないんだと思ったり・・・
年いきながらも爽やかにふっきれているのは近藤真彦くらいで、後輩ジャニーズの6組に対して、優しい視線を投げかけていた。今年の空白歌合戦で、ちょっといいなと思ったのは、近藤真彦のそういう姿勢と又吉直樹の芸人魂、恩義を感じて赤いスイトピーを丁寧に歌う松田聖子、心の底の気持ちとシンクロさせて歌うMISIA、自分たちの世界観にこだわる椎名林檎、Perfume、Superflyあたりだった。
しかし総じて、高齢者とその孫達が懐メロを熱唱している中、とにかく明るい安村みたいな下ネタ芸が場を盛り上げている印象は拭えず、空白歌合戦はさらに空虚化しているなぁと。
だいたい、テーマの「ザッツ、日本! ザッツ、紅白!」って何のこと? どっかの広告代理店がどうでもいい時につけそうなテーマタイトルだが(笑)NHKもそこまで自主性がなくなっているということか。
高齢であり、空虚な国、日本! かなり微分して刻んでいかないと、実像を見ながら仕事はできないなぁと思う元旦でありました。