2011年06月18日
江口愛実プロモーションは何が狂ったのか?

時間差でグリコのプレリリースを流したにしても、週刊プレイボーイが出た時点で大きな誤解が生まれることは必至で、リアルであろうがバーチャルであろうがグリコに有利に働くわけがない。リアルであった場合は、神聖なセンターポジションを汚したということでダイレクトに反感を買うだろうし、バーチャルであった場合、騙したという印象が強く残るからだ。
そして、このネットの時代に、詳細は6/20というひっぱりを強固に守っているところがおかしすぎる。6/20というのはCMがオンエアされる日であるが、その意味は6/20発売の週刊プレイボーイにその詳細が公表という意味で、どんなに騒動になっても、事件扱いにされても、グリコに問い合わせが殺到しようが頑なに6/20公表を守っている。
グリコのイメージがどんどん悪くなっても口が裂けても6/20まで、待てとしかいえないのだ。もし、6/20発売記事の内容を語れば、6/20発売の週刊プレイボーイは売れなくなる。これだけ馬鹿みたいに引っ張る理由はただそれだけだ。各関係者がおかしな発言、返答をするのもそこがポイントだ。少しでも語れば、雑誌の販売部数に響いてしまう。
AKSは、あくまで実在するといい
グリコは、6/20まで語れないとし
秋元康事務所は、グリコのCMのことですからとかわしている。
しかし、ここに大きな矛盾が存在する。グリコのスペシャルサイトだけでなく、AKBの公式メンバープロフィールにも「江口愛実」が研究生の下に確かにアップされているからだ。ただの販促プロモーションでここまで反映しているのはあまりにもおかしい。そしてただの販促プロモーションだけではないとしたら「江口愛実」という思いっきり江崎グリコのアイスの実によった名前もこれまたおかしい。矛盾だらけだ。
ここには複数のプロモーションが絡んでいることは明らかだ。
一つは、グリコの「アイスの実」販促プロモーション
もう一つは、週刊プレイボーイの販売部数アップのプロモーション
さらに、AKB48の予定調和破壊プロモーション
もう一つ加えれば、電通のイベントプロモーション
あと、キングレコードのことはよくわからない
要は「江口愛実」プロモーションにはそれぞれがそれぞれの思惑をもって動いており、完全な不協和音を発している。しかも、この情報のキーを週刊プレイボーイが握っているところに大きな問題があった。週刊誌は1週間に1回しか発売できない。ネットバズはどんどん想像力を増幅していくのに、何の対応もできずに、発売日まで引っ張ることしかできないのだ。
2009年の夏、AKB48が週刊プレイボーイの表紙を飾った時、かなりの部数を売り、週刊プレイボーイはもうAKB48から離れられなくなり、AKB48の特集を頻繁に組むようになる。しかし、他雑誌より検討したものの部数はどんどんと下降していく。
2008年4〜6月 340,833部
2009年4〜6月 296,667部
2010年1〜3月 283,334部
2010年4〜6月 278,750部
2010年7〜9月 270,667部
2010年10〜12月 264,667部
2011年1〜3月 246,167部
週刊プレイボーイにとっては、AKB48は苦境の中の頼みの綱なのだ。
そして今回のように、かつてないドッキリ、サプライズを仕掛けることをかってでたのではないかと思う。AKB48ファンがよく読む雑誌という自負もあったのだろう。しかもここまで仕掛けるのだから、グリコのCMキャンペーンの紹介、「江口愛実」が実在しないバーチャルな存在で、メンバーのいいところを寄せ集めましたというだけの発表では終わらない気がする。
AKSの江口愛実は実在する。という言い方、公式プロフィールに掲載されていることが思いっきりひっかかるのだ。何かが隠されているのは確かだ。
菊地あやかが書いた、合成ものであることの示唆などは、たいした情報でないのかもしれない。また、このプロモーション全体について説明もうけてないだろうから、「私は馬鹿なので、いろいろ失敗しちゃうんですけど、皆さん見捨てないでください…」なんて謝る必要性もない。
江口愛実の発表があってから、グリコの株価はどんどん下がっていく。その主な理由は食品の原料高、アメリカの市場低下が関係しており、今回のこととは直接関係がないのかもしれないが、6/20の詳細発表が合成顔だけの発表だけであった場合、株価がどんと下がる可能性は高いとみる。食品企業の信用失墜だ。
江口愛実プロモーションは何が狂ったのか?
ビジネスは、誠実>アイデア>努力 の順番でなければ今や成立しない。アイデアだけがどれだけ奇抜であろうが、CSRの時代、そんなものは通用しないのだ。
AKB48の売りはただ一つ、誠実さだけではなかったか
バーチャルシンガーなど初音ミクだけでいい。
グリコもAKSも電通も秋元康も今回ばかりは、集英社を核に据えて大失敗をしたことは確かだろう。菊地あやかにはまだ誠実さがある。ちゃんと謝罪しているからだ。
世の中が騒動や事件扱いしているのに、謝罪の一つもなく、6/20まで待てというのは横暴なプロモーションというしかない。
そんなサプライズなど誰も期待していないのだ。
AKBに似合った誇大な仕掛けは、週刊AKBの「宮崎探検隊」ぐらいのゆるさでちょうどいい。笑えるからだ。
6/20発売の週刊プレイボーイに、謝罪の一文もない場合、グリコ、AKSは大バッシングを受けるだろう。電通と秋元康には、もうネット上でバッシングがおきている。
のまねこ時代のように不買運動がおきるほど、2chも今や力はないのかもしれない。しかし、いいかげんにしないと、みんなの心は確実に離れていく。
出版不況からおきた、史上最低のプロモーション。
「ここにいたこと」をもう忘れているのではないか。
それとも「いたこと」という過去形は、そういうことを意味しているのか。自分たちで終わられせるのか。
メンバーが「江口愛実」に触れず、一生懸命、ツイッターやブログを書いているのが痛い。
最大の被害者はAKB48、SKE48、NMB48のメンバーだ。どくだらんプロモーションに巻き込むのはもうこれを最後にして欲しい。
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1 :名無しさん@お腹いっぱい。:2012/04/09(月) 18:12:46.46 ID:T7//Pn5J0http://www.akb48.co.jp/about/members/
コメント一欄
3. Posted by ガンガンガン速 2011年06月21日 00:58

2. Posted by snafkin7 2011年06月20日 08:36
松本さん、コメントありがとうございます。
ほとんどがAKBネタをダシに注目を集めようとするものですが、度がすぎてますね。宣伝効果は絶大だったって、グリコと電通へのちょうちんニュースばかり。話題にするために、何をしてもいいわけじゃないでから、そこのところは言い続けていくつもりです。
ほとんどがAKBネタをダシに注目を集めようとするものですが、度がすぎてますね。宣伝効果は絶大だったって、グリコと電通へのちょうちんニュースばかり。話題にするために、何をしてもいいわけじゃないでから、そこのところは言い続けていくつもりです。
1. Posted by 松本 2011年06月20日 07:46
一夜明けて、大手メディアは足並み揃えて予定調和的な報道。メディアというものの本質がここまであからさまになるのは、ある意味、この時代にふさわしいのかもと。