2011年03月22日
ツッコミ文化が日本を正常にしていく
「宣伝会議」など読んでいると素人と思われるので(笑)会社ではパラパラっとめくって、ポイッとブックスタンドに投げ捨て通り過ぎ、ちょっとひっかかった記事があれば、人目のつかないTSUTAYAでじっくり立ち読みするという習慣があるが(笑)、NO809号ばかりはTSUTAYAポイントを使いながら買ってしまった(まわりくどっ・爆)
この号の特集「ツッコミどころのあるCMがウケる!」の早稲田大学 文化構想学部 岡室美奈子教授「日本人にツッコミ文化が定着した理由-恋愛ドラマの人気低迷 ツッコミ文化の影響」が特に自分が疑問に思ってたことと重なったので考える手がかりとしてとても参考になった。
自分の場合は、CMのことを書いてる記事より、恋愛ドラマをとりあげてる岡室美奈子教授の記事がなんとも納得した。
それは「どうして日本のドラマで恋愛ものは減ってるのだろう」
「あっても、感情移入できないのはなんでだろう」
「見てても、アラばかり見えるのは何故だろう」
その理由について、教授は漫才ブームなどを経て、シンプルで短いツッコミを行う、さまぁ〜ずの三村マサカズの「〜かよっ」影響もあげ、それと重なるようにニコニコ動画やツイッターというツッコミが手軽にできるツール(ソーシャルメディア)がでてきたことによると……
漫才ブーム→さまぁ〜ず、年代的にあわせると少し整合性がないようにも思うが、恋愛ドラマの低迷が、ツッコミ文化の影響であるというのは、そうかなと思うところが多い。
今クールの月9ドラマ「大切なことはすべて君が教えてくれた」などは、会社の連中と話しをしていると、もうツッコミがピラニア状態になって、1・2回を見て、見るのをやめたものが多かった。ストーリーの稚拙さもあるが、とにかくクサイシーンが多いのだ。
2000年頃からのツッコミ文化について自分なりに整理してみる。
大きくは当然だがインターネットの影響だろう。
2000年頃はホームページと掲示板の時代
携帯サイトと携帯メールの大普及によって、とにかく若い世代の口コミ力が大きく膨らんでいった。また、1999年5月にオープンした2chの影響も大きい。2chではボケとツッコミが混在しているが、祭りの時などのスピーディなコメント群は、ニコ動の前身のように思う。
2003年頃からのブログの普及
事象や時事、テレビのことなどにスピーディに反応できるツールの登場で、その日にあったことにも、個人が割合まとまった意見を発信できるようになった。それについて、コメント、トラックバックもくっついてくる。
2004年頃からのmixi、GREEの普及
これはただ発信するだけでなく、コミュニティを形成し、横の結びつきを太くし、特にGREEなどは携帯での展開なので、ツッコミ人口が増えてくる。
2006年頃からのニコニコ動画でツッコミ本格化
いわずもがな、魚群のようなコメント群。しかも動画にツッコメルとあって、もちろんTV素材も餌食になってしまう(笑)
2008年頃からのTwitterで完成形へ
これもいわずもがなだが、このコメントは瞬時に消えていくものではなく、意見としてストックもしていける。ツッコミの安定した場所、アイデンティティを得たという意味で今につながる。
厳密に言えば、視聴率30%以上の恋愛ドラマが消滅するのは2004年以降で、mixi、GREEの普及期と重なってくる。そして、ニコ動、Twitterでたたみかけて、今や恋愛ドラマの視聴率は10%台をなんとかキープしている感じ。そのうち1桁もでてくるだろう。
日本の恋愛ドラマは、タレントにおんぶにだっこの場合が多い。ストーリーで惹きつけるなんていうのは稀だ。ジャニーズ系でお茶を濁している場合も多い。これらはツッコミ文化で淘汰されていって当然のものだろうと思う。
そして急に、シリアスな話に持っていくが、今回の東北巨大地震で、Twitterのいい面を多く見た。
震災については、連携&拡散というソーシャルな面
原発については、真を正すというクリティークな面
つながりながら、反しているものには鋭いツッコミを継続的に入れていき、それこそ世論を形成しているように見える。
マスコミ、東京電力、政府は正義のピラニアに喰われてる勢いだ。
被災の救済と復興がまず第一だが、上記の悪い部分はとことん、喰い尽くされて、一度骨になった方がいいと思っている。
何をどうしていったらいいのか。
すべてが民意で決まっていくわけではないが、錯綜状態ではあるが、良心的な専門家と民意の総意で決めていくしかないだろう。
良心のない計画と行動はもういらない。
ツッコミ文化がさらに進化していくことを強く望む。
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ツッコミ文化拡張論-漫才ギャングが示したもの
リーマンショックの裏側で〜2008年に何がおこっていたか?
この号の特集「ツッコミどころのあるCMがウケる!」の早稲田大学 文化構想学部 岡室美奈子教授「日本人にツッコミ文化が定着した理由-恋愛ドラマの人気低迷 ツッコミ文化の影響」が特に自分が疑問に思ってたことと重なったので考える手がかりとしてとても参考になった。
自分の場合は、CMのことを書いてる記事より、恋愛ドラマをとりあげてる岡室美奈子教授の記事がなんとも納得した。
それは「どうして日本のドラマで恋愛ものは減ってるのだろう」
「あっても、感情移入できないのはなんでだろう」
「見てても、アラばかり見えるのは何故だろう」
ドラマで言うと、1990年代には木村拓哉と山口智子が主演した「ロングバケーション」などの恋愛ドラマが社会的にブームとなった。等身大の登場人物に自分を重ね合わせ、一喜一憂しながら見ていたものだ。しかし2000年頃からツッコミ文化が普及したことで、恋愛ドラマにも感情移入するのではなく思わずツッコミを入れてしまうようになっていく。そして視聴者の心は次第に離れていった。そこで今は警察関係や医療ものなど、ツッコミを受けにくいシリアスな問題を扱うドラマばかりになってしまっている。
その理由について、教授は漫才ブームなどを経て、シンプルで短いツッコミを行う、さまぁ〜ずの三村マサカズの「〜かよっ」影響もあげ、それと重なるようにニコニコ動画やツイッターというツッコミが手軽にできるツール(ソーシャルメディア)がでてきたことによると……
漫才ブーム→さまぁ〜ず、年代的にあわせると少し整合性がないようにも思うが、恋愛ドラマの低迷が、ツッコミ文化の影響であるというのは、そうかなと思うところが多い。
今クールの月9ドラマ「大切なことはすべて君が教えてくれた」などは、会社の連中と話しをしていると、もうツッコミがピラニア状態になって、1・2回を見て、見るのをやめたものが多かった。ストーリーの稚拙さもあるが、とにかくクサイシーンが多いのだ。
2000年頃からのツッコミ文化について自分なりに整理してみる。
大きくは当然だがインターネットの影響だろう。
2000年頃はホームページと掲示板の時代
携帯サイトと携帯メールの大普及によって、とにかく若い世代の口コミ力が大きく膨らんでいった。また、1999年5月にオープンした2chの影響も大きい。2chではボケとツッコミが混在しているが、祭りの時などのスピーディなコメント群は、ニコ動の前身のように思う。
2003年頃からのブログの普及
事象や時事、テレビのことなどにスピーディに反応できるツールの登場で、その日にあったことにも、個人が割合まとまった意見を発信できるようになった。それについて、コメント、トラックバックもくっついてくる。
2004年頃からのmixi、GREEの普及
これはただ発信するだけでなく、コミュニティを形成し、横の結びつきを太くし、特にGREEなどは携帯での展開なので、ツッコミ人口が増えてくる。
2006年頃からのニコニコ動画でツッコミ本格化
いわずもがな、魚群のようなコメント群。しかも動画にツッコメルとあって、もちろんTV素材も餌食になってしまう(笑)
2008年頃からのTwitterで完成形へ
これもいわずもがなだが、このコメントは瞬時に消えていくものではなく、意見としてストックもしていける。ツッコミの安定した場所、アイデンティティを得たという意味で今につながる。
厳密に言えば、視聴率30%以上の恋愛ドラマが消滅するのは2004年以降で、mixi、GREEの普及期と重なってくる。そして、ニコ動、Twitterでたたみかけて、今や恋愛ドラマの視聴率は10%台をなんとかキープしている感じ。そのうち1桁もでてくるだろう。
日本の恋愛ドラマは、タレントにおんぶにだっこの場合が多い。ストーリーで惹きつけるなんていうのは稀だ。ジャニーズ系でお茶を濁している場合も多い。これらはツッコミ文化で淘汰されていって当然のものだろうと思う。
そして急に、シリアスな話に持っていくが、今回の東北巨大地震で、Twitterのいい面を多く見た。
震災については、連携&拡散というソーシャルな面
原発については、真を正すというクリティークな面
つながりながら、反しているものには鋭いツッコミを継続的に入れていき、それこそ世論を形成しているように見える。
マスコミ、東京電力、政府は正義のピラニアに喰われてる勢いだ。
被災の救済と復興がまず第一だが、上記の悪い部分はとことん、喰い尽くされて、一度骨になった方がいいと思っている。
何をどうしていったらいいのか。
すべてが民意で決まっていくわけではないが、錯綜状態ではあるが、良心的な専門家と民意の総意で決めていくしかないだろう。
良心のない計画と行動はもういらない。
ツッコミ文化がさらに進化していくことを強く望む。
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1. [リブログ]ツッコミ文化が日本を正常にしていく→韓国ドラマを考えてみた [ 見えるものとの対話 ] 2011年03月22日 17:19
元翼ブロガーsnafkin7さんのブログです。突っ込み文化が日本を正常にしていく 翼に もどってくれ...
コメント一欄
1. Posted by akira 2011年04月05日 00:47
この先どれだけ待てど日本を強く引っ張っていける政治リーダーがいつ登場するかわからない。ならばリーダーの登場を待つのではなく、国民ひとりひとりが当事者意識を持って諸問題を考え、意見を発信して、意見交換を行いお互いの考えを昇華していくしかない。