2011年01月23日

映画「ソーシャルネットワーク」の解釈学

snfbオタクキャラ全開のFaceBook創業者のアンチヒーロー型映画がこんなにも高評価を得ているという事実。アカデミー賞もとるような勢い。時代は変わったなとつくづく思う。映画としては、それほど面白いものではない。笑わない、謝らない、ぶっきらぼうな主人公(マーク・ザッカーバーグ)に感情移入できないからだ。また、その周辺に出てくるどのキャラにも感情を動かせず、映画を見るものは、ただ見ているという立場を固定されてしまうからだ。ただ天才的なオタクは見ているだけでおかしなところ満載だ。ハーバード学内の寮やサークルのサーバーにハッキングして女子学生を顔写真で評価する「FaceSmash」を仕立てる度の過ぎた悪戯にはニヤッとしてしまった。私が一番知りたかったFaceBookの初期コンセプトがわかったような気になった。ウィンクルボス兄弟らに「ハーバードコネクション」を盗用したと訴訟されるSNSはただのSNSだが、「FaceBook」には「FaceSmash」のような精度の良いアルゴリズムで動いている(オートハッキング)ようなクールなゲーム性があり、そこが面白いのだと思う。

創業者本人は、この映画、着ている服以外はすべてフィクションと語っているからどこまでが真実でどこまでが脚色かつかみにくいが、一言でいえば、人の欲望みたいなものを淡々とプログラム化して、真面目なソーシャルネットワークに仕上げてみせたところが、万人が使え、万人を満足させているところなのだろうと思う(笑)

この映画はストーリーで評価をするものではないと思う。だから新しい映画なのだ。

映画最初の超スピーディな会話。アメリカのFOX系ドラマでもよくあるパターンだ。賢いインド系、ユダヤ系の人物の英語は超速い。賢い奴は英語のスピードがやたら速いという演出をこの映画でもやっている。映画館でもこの演出を素直に笑っていた人がいた。字幕を追っていてはこの可笑しさはわからない。意味ではないのだ。

双子のウィンクルボス兄弟、これがCGだと気がつく人はほとんどいないほどよく出来ている。くらいに監督の細部へのこだわりはもの凄い。この映画、ほとんどのシーンが室内で屋外でも夜のシーンが多く、唯一、明るい室外でもパジャマ姿という可笑しさ。オタクの雰囲気づくりに精一杯力を入れている。晴れ晴れしい気分にならない映画なのだ。

広告(アドバタイジング)がクールでないという表現が繰り返されるが、これがメッセージとしては一番刺さった部分だ。実際には広告は入り込むが、従来の広告ではないことは確かで、私は楽天的に考える方なので、広告はいらない、なくなるのではなく、今後の広告はクールでなければならないのだなと考えた(笑)

ここで書いておくが、映画館でFaceBookのパンフレットを買ったが、mixiスタッフの長々とした対談が掲載されているが、これが一番クールではない(笑)FaceBookは遊び心満載で大もうけしているが、評価額の半分くらいを寄付にまわしているところがクールなのだ。mixiと全然違います(爆)

クールなソーシャルネットワークにこだわって、人を裏切り、人ともめ、成功していったアンチヒーロー、マーク・ザッカーバーグ。2001年の9.11事件以降、初めて世界の人と人を結んだ。天才ではないのか。9.11以降、アメリカではヒーローもののストーリーやキャラクターはまったく受け入れられなくなったらしいが、2003年〜2004年にFaceBookが誕生したことは偶然とは思えない。完璧に横に超越するソーシャルネットワークが特にアメリカで受け入れられてることはいろんな意味を含んでいるように思う。

オタクが世界を変えてしまったのだ。そして、ヒーローいらねぇという風潮は世界にとっても、とてもいいことなのだと思う。






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snafkin7
30数年広告畑で畑を耕しています(笑)コピーライターでありながら、複雑系マーケティングの視野からWebプランニング、戦略シナリオを創発。2008年2月より某Web会社の代表取締役社長に就任。snafkin7としてのTwitterはこちらからどうぞ。Facebookはこちらから。
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