2006年08月08日

自分の中の『インドインパクト』

4c5f29d0.gif話があちこち行きますが、今日、ハーバードビジネスレビューの『インドインパクト』が届いたので、その話を書きまふ。

現在、ハーバードビジネスレビューのバックナンバーで売り切れ状態になっているのが、この『インドインパクト』。今回、アマゾンの中古でやっと手に入れましたが、本屋に並んでた2005年半ば当時は、インドねぇぇぇという感じで買いませんでした。しかし、この間のイギリス出張時のインド人の多さと活達さがイヤに気になって、この雑誌が再び脳裏をかすめ、買った次第です。ちょっと前のブログでイギリスはインド人に逆支配されるだろうと、冗談で書いたのですが、それが、冗談ではどうやらなさそうです。

インドは、映画『踊るマハラジャ』にも描かれているように、未だカースト制がありますが、インド10億人のうちの富裕層は2割はいて、彼らの月収は100〜200万以上で、インド10億人のうち、英語を流ちょうにしゃべれる人間はなんと3億人はいるそうです。これは凄い。アメリカの人口よりも多いのです。インドというと、私たち日本人はすぐ貧民、貧しい方をイメージするのですが、確かに半数以上はそうですが、それの上の層の3割以上は、日本よりも遙かに裕福で文化レベルも高いのです。インドの3億人は、かなりのグローバルビジネス人なわけです。

例えば、インド人の商売上手な例は、イギリスでも何回も体験しました。インド料理屋で飲んでた時、テレビでクリケットの試合が放送されていました。それが珍しくて騒いでいた私たちに店員が近づいてきて、『イギリスは初めてですか?そのカメラであなた達を記念撮影しましょうか?』と気軽に言ってくるのです。彼らは私たちの飲むタイミングをもの凄く心得ていて、ちょうど欲しい時にサッと現れて、フードの宣伝もなにげにして、サッと消えていきます(笑)また、ヒースロー空港の免税店で酒を選んでいたら、イギリスしか売っていないシングルモルトウィスキーをススメ、2本だとこれだけお得になるといい、後でやってきたインド人の女店員が『あなたの買った酒は、本当にグッドチョイスだわ』と誉め、『いや、彼が選んでくれたんだ』と言うと『彼のグッドチョイスを受け入れたあなたが偉いのよ』と誉め誉め言葉を連発してくるんです。まだあります。インド人のタクシーに乗り、近くの地下鉄の駅まで行こうとすると、『君たちは4人いるじゃないか。地下鉄でロンドン市街に行ったら、40ポンド近くかかるよ、それならこのままタクシーで行って45ポンドにしといてやるから、このまま乗っていきなよ』とこう来るわけです。

そして、『インドインパクト』の特集記事を読むと、興味深いことが書いてありました。植民地支配されていた地域は支配国に、意外と好意的だという一節。ここではインド人は、イギリスに対して意外と好意的で経済的に育ててくれた国としてかなり好意を持っていて、イギリスに移住する人も多くいるとのこと。私たちはイギリスみたいな物価の高いところに移住するなんてバカバカしいと思うのですが、英語がフツーに話せる、グローバルビジネスを展開してて月収200万以上の彼らは、イギリスはいい国なんですね(笑)

植民地支配されていた地域が支配国に好意的なのはよくわかります。満鉄のあった中国の大連は、うちの嫁さんの故郷ですが(笑)かなり日本人に好意的です。『私のおじいちゃんは日本人に殺されたけど、今の日本人は好きだよ』なぁんて話を平気でされますからね。こちらは複雑な気持ちになりますが、インドのイギリスに対する感情も良く似たもんなんでしょう。これはフランスに対するベトナム、日本に対する台湾、イギリスに対する香港、これも同じようなものかもしれません。但し、植民地ではなく単なる占領されてた地域は反発が強いらしいんです。単に占領されてただけだから。植民地というのは、やはりその地域に同化して優しい感情も一緒に植えていくわけだから、そうなるらしいですね。

あと、『インドインパクト』には1820年当時のGDP比較表があって、中国が1位、インドが2位、日本が5位、なんですが、古代文明開花から産業革命が起こるまでは、中国とインドが世界をリードしていて、アメリカ、ヨーロッパなんて、たかだか、ここ200年と主張するわけです。近代文明が崩壊して、中国・インド復権の時代になって、当然と、こういうわけです。しかも5年後にはインドが中国の人口を抜き、BRICsの中でも中国も終わってインドの時代が来る。なんかそういう構図らしいですが(笑)ある意味、このインドはあなどれませんね。

あと、マッキンゼーの社長が2005年まで10年間、インド人だったこと、『コアコンピタンス』の共著者の一人がインド人であったこと、マーケティングやITの世界でいかにインド人が活躍しているかとか、優秀な大学やスクールでいかにインド人の合格率が高く、インド人ばっかりにならないように苦労してるかとか……

インドって、もの凄く合理的でしょ。手で食べるってすぐ野蛮なように言うけど、手を洗うだけで食器を洗う必要がない、器だってバナナの皮で、ポイして終わり、皿を洗う必要がない、エコでもある。よく考えられてますよね。

ちょっとね、短い期間の出張だったけど、ホント、インド人のインパクがあまりに強く、なんかしらないけど、自然と調べまくってる自分がいます。イギリスに行ったのに、インド人のインパクトにやられた(爆)そういえば、上海でもインド料理屋が急に増えてて、間違って入ったインド料理屋のにいちゃんは、行くべき所の場所を丁寧に教えてくれたりもしました。

インドってすげぇ、日本人もビックリ!!です(笑)カレーに感謝(笑)

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30数年広告畑で畑を耕しています(笑)コピーライターでありながら、複雑系マーケティングの視野からWebプランニング、戦略シナリオを創発。2008年2月より某Web会社の代表取締役社長に就任。snafkin7としてのTwitterはこちらからどうぞ。Facebookはこちらから。
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