2010年09月21日

おかりえちゃんの現象学 ★ 11億PVの凄さ

9/19のNHK総合の「東京カワイイ★TV」を何気に見ていて、渋谷系ギャルのメイクやファッションに大きな影響を与えている「おかりえちゃん」の存在を知った。

彼女は始め月収3万円の読者モデルだったが、渋谷系ギャルのトレンドを熟知し、それを誰でも再現できるテクにしてケータイサイトでbefore-after写真・イラスト付で伝授していくうちに、カリスマ的な存在になっていった。そのケータイサイトのPVは開設2年間累計で11億。今見たら、1,173,588,692PVで、9/20の1日あたりでは74,000PVをはじきだしている。

雑誌のPopteenでは、部数を伸ばすために、おかりえちゃんを表紙に持ってきたり、美容関連メーカーでは、彼女のブログに紹介してもらおうと新製品を持ち込み、実際20万個販売するというもの凄い実績をつくっている。また彼女が実際に通うネイルサロンや美容室もその影響で、客数が大幅に増加しているというのだ。

Popteenのスタッフ曰く「今までいろんなプロモーションで仕掛けてきたことが、おかりえちゃんのフィルターを通すことによって、それ以上の効果を生み出している」と…

おかりえちゃんブログがここまで広がるには横のネットワークの伝染もあったと思われるが、この口コミネットワークは、おかりえちゃん自身の継続的な濃くてタメになる情報によってユーザーとダイレクトに強く結ばれていることが特長だと思う。そうでなければ2年間で11億PVなどとれるわけもなく、現在しっかりとした購読者が約7万人もついていることから、1日1回はチェックしているほど厚く支持されている。

以前、「気がつけば、ネットワークはなくなっていた」にも書いたが、こういうダイレクトラインが生じているのが“今”なんだと思う。

どういうことかと言うと、口コミバズの火が徐々に広がって大火事をおこし、噂が噂を呼んで、大きなムーブメントがおきるのではなく、口コミバズの広がりは瞬時に静かに行き渡り、その総勢が発信元と強くダイレクトに結ばれ、ネットワークそのものは広がった後には脱皮の皮のようにあまり意味をなさないものになる。そういう意味での無ネットワーク・ダイレクトライン型のコミュニケーションが最近増えているような気がする。

この手のコミュニケーションに共通しているのは「ネットワークを意識せず、どのように素をさらけだすか」「求められているのは誠実さ」「アナログライブとデジタルツールの活用」と書いたが、おかりえちゃんの場合はマサにスッピンをもさらけだし、誠実に誠実にブログを書き、ケータイで丁寧に写真を撮ってはメイク法、おしゃれ法を発信している。

おかりえちゃんの場合、ケータイブログがソーシャルメディアという言い方もできるが、最終的にはダイレクトメディアになっている点を重視したいのだ。

現在、その形態をさして「ソーシャル」と呼ばれているものが多いが、「ソーシャル」そのものがオートマチックに何かのブームやヒットを生み出すと考えると間違うのだと思う。

実効性のあるものは「ソーシャル」な形態をとっていても内実は「ダイレクト」な結びつきが非常に強い。ソーシャルな関係が何かを生み出すのではなく、ちゃーんと、しゃべらなくてはならないのだと思う。

社会そのものが分断され、ぐちゃぐちゃになっている時代に、果たして本当に健全なソーシャルネットは存在するのだろうか。ネットワークは情報伝達のためだけに存在し、心が行き来するのは、対的なダイレクトラインとなっていると考えることは病気だろうか。

まだまだ、いろんなパターンを見ていきたいと思う。



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コメント一欄

10. Posted by おかりえのすっぴん   2011年08月19日 17:51
5 おかりえのすっぴんってかわいいですよね?
9. Posted by snafkin7   2010年09月23日 15:32
その対談には矢野顕子のミニコンサートもついてて、「広告の広告の本」?という本にもなって出版されていたと思います。
NTTが冠だったような。
8. Posted by 鍛冶 哲也   2010年09月23日 15:17
ブログへの引用を快諾いただきましてありがとうございます。早速、リブログさせていただきました。しあわせって何だっけ?<a href="http://denkiami.bloggers-network283.com/2010/09/%E3%81%97%E3%81%82%E3%82%8F%E3%81%9B%E3%81%A3%E3%81%A6%E4%BD%95%E3%81%A0%E3%81%A3%E3%81%91.html">http://denkiami.bloggers-network283.com/2010/09/%E3%81%97%E3%81%82%E3%82%8F%E3%81%9B%E3%81%A3%E3%81%A6%E4%BD%95%E3%81%A0%E3%81%A3%E3%81%91.html</a>
コメントを引用するのもなんだかイレギュラーな感がありますが。そこは、流れというか、勢いというか。転がり方というか。支流というか。分岐というか。
しかし、あのCMについて糸井重里と吉本隆明の対談というのもなにか、すごいですね。糸井さんって独特の存在感を感じます。それにしてもさすが、いろいろなつがなりをお持ちですね。
7. Posted by snafkin7   2010年09月23日 08:55
鍛冶哲也さん
どうぞどうぞ。面白そうですね。
昔、堤清二と糸井重里と吉本隆明の対談が銀座であって、「しあわせって何だっけ?」のCMについて語ってたのですけど…
しあわせって何だっけ♪何だっけ♪何だっけ♪〜
って花占いみたいなもので、あのCMは、ぽんず醤油のある家、でちゃんとオチテテ、ぽんず醤油を買えば、少しは幸せになれるように思えるところが凄い!!と
しあわせっていうキーワードって、みんな本当は結構うえてる、みたいな…
今の日本が不幸なのは、ぽんず醤油のリメイクCM、さんまと広末涼子のは、同じフレーズで歌ってても、ぽんず醤油のある家が幸せっていう風にはもう思えない時代になっちゃったことだと思います。
なにかが漂っちゃった。
今、しあわせって何だっけ?て歌いながらでも考えてみること、ライトに考えてみることって、とってもいいことですよね。
よろしくお願いいたします。
6. Posted by 鍛冶 哲也   2010年09月23日 06:45
追伸
 
手前味噌で恐縮ですが。
上に書いた自分のコメントが自分で気に入ってしまったので、そのひとつ前のsnafukin7さんのコメントとあわせて自分のブログに引用して自分の投稿に使わせていただきたいのですが、よろしいでしょうか。
 
もしよろしければ、この記事へのリブログとして、私のブログに引用して「しあわせって何だっけ?」というタイトルで投稿たてたいのですが。
5. Posted by 鍛冶 哲也   2010年09月23日 05:52
コメントをみて、素直に共感するとともに(中国のことは体験としては知らないですが)、「幸せって何だっけ?」というフレーズが浮かんできました。
何か、そのニュアンスは、シンプルな地点に立ちかえることかな、と。他人と比較して今の自分のポジジョンがどうとかこうとかとか、ゴールを設定して今それに対して何パーセントとか、あれこれ頭で考えるんじゃなくて。
暑い日の続く夏に、冷たいビールを飲む時のシンプルな幸せ感。サクサク動くパソコンで思いつくままテキスト打ってる快適感。(会社のパソコン重いので(^^;)
将来に対する漠然とした不安みたいなものって、今の日本にはあるんでしょうけど、とりあえず、今日、生きるか死ぬかという状況ではない。(たまにあるかもしれませんが。)明日の不安をあれこれ思い悩むよりも、今、この瞬間に楽しいことをやろう。
シンプルな快楽主義。明日の心配は明日、すればいいという楽観主義。今ある自分をそのまま受け入れる自己肯定。幸せの基盤とはそんなものでしょうか。
今の時代、お金があるのとないのとでは随分と選択肢の差があることも事実だけれど、お金がなくても楽しく過ごすことはきっとできる。そのためには工夫が必要だけれど。自分なりの試行錯誤が必要だけれど。
110円あればコンビニで冷たい(第三の)ビールが手に入る。つまみなんてなくても、そこに幸せを感じられれば。それでええじゃないか。
そんなシンプルな幸せ感を、人とわかちあおうというオープンマインドがあれば。幸福感のレバレッジと持続性の拡大はできるのではないでしょうか。そのための道具立ては既にできているし。
なんだか、テーマが大きくずれてしまったみたいで。(失礼)(^^;)
4. Posted by snafkin7   2010年09月22日 08:53
鍛冶哲也さん、コメントありがとうございます。
働いてこのかた、「○○○○マーケティング」という言い方、流行は、数多くあって、この歳になると(どの歳?・笑)、またか、もういいよという気持ちになってしまいます。
ソーシャルについても、SNS機能として、ああ、あるね、ああ、つけとこね、とか思っていたらいいんですが、あんまし肯定しない、懐疑的なところにいようところに今います(笑)
おかりえちゃん特集のTVを見ていて、いいなと思ったのは、本人の幸せそうな顔、マネッコ達の幸せそうな顔、おかりえちゃんと直接会って感激しているギャル達の顔、おかりえちゃんの情報、ファッションでみんなハッピーになっているんですね。
そこなんですね、自分が幸せになりたい、みんなを幸せにしたいっていうのが根本の力になっている。
企業も本当に、そういう原動力で取り組むならば、ソーシャルなもんは力を持つと思います。そういう企業もあるとは思います。
戦いを略する戦略。そういうものもあっていい。AKBのじゃんけん大会は面白いと思いますね。フツーだったら浮上しない娘が浮上した時に、また新しい何かがスパークするかもしれない。今回は40位くらいの娘がセンターをやるわけですが、これまた、幸せそうな顔をしているわけです。
今の日本に欠けてるのは、幸せそうな顔ですね。
この夏、中国行って、悔しいなと思ったのは、カップルの凄く幸せそうな顔なんです。あいつらには、なんか凄く夢があるみたいなんです。そんなんないよとどこかで思ってるこちらが恥ずかしくなるくらい、夢があるみたいなんですね。
最終的にみんなを笑顔にさせることができたら、本当にいいマーケティングなんだと思います。
龍馬伝の見過ぎかもしれないですが…(笑)
3. Posted by 鍛冶 哲也   2010年09月22日 06:26
なかみに力のない商品(或いはコンテンツ)は、どんなにマーケティングで仕掛けたって売れないし(これは従来から当たり前)、なかみに価値があるものは、仕掛けなんてなくたって広がる。と、いうことでしょうか。
雑誌スタッフが語っているように、それはマーケティング不要論を意味する訳ではないと思いますが。
漠然と思うのですが、ソーシャル・マーケティングというような、「成功の法則」というものがある訳ではなく、あたかも商品企画のように個別の企画力の問題であるように思います。
戦略とかいう大掛かりなものというよりは、個々の局面における作戦の良否というか。
そんな局地戦における作戦の良否が、ネットの力によってレバレッジされて、時に思いもかけない程の大波を引き起こす。みたいな。
 
2. Posted by snafkin7   2010年09月21日 18:08
ルート134さん、示唆ありがとうございます。
SF小説にそういう設定があったわけですね。面白そうなので、今度、読んでみます(0 0)
1. Posted by ルート134   2010年09月21日 10:14
実はジェイムズ・ティプトリー・Jr.の小説『接続された女』?
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30数年広告畑で畑を耕しています(笑)コピーライターでありながら、複雑系マーケティングの視野からWebプランニング、戦略シナリオを創発。2008年2月より某Web会社の代表取締役社長に就任。snafkin7としてのTwitterはこちらからどうぞ。Facebookはこちらから。
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