2010年05月04日

インターネット上の本当の言葉-「スナフキンの手紙」を思い出して…

2010.04.29 CNET JAPAN掲載

先日、上戸彩が出演している「絶対零度」というドラマの2回目を見ていると、第三舞台の俳優・大高洋夫さんが非情な外科医役を演じていて、懐かしさでいっぱいでした。第三舞台というのは10年くらい前に封印されていますが、そのストーリーの中には、伝言ダイヤル、パソコン通信、インターネットの話題が結構盛り込まれていました。
舞台はすべて見ていますが、その中で1994年に「スナフキンの手紙」という芝居がありました。日本を離れ、シルクロードを歩くバックパッカー達が、いろんな異文化や人と触れあううちに、今までの日本での価値観、情報に疑問を抱き、生きる気力もなくして東西南北どこにも行きたくなくなる「沈没」状態になります。彼らはずっと安宿の天井を眺める生活をしながら安宿においてある旅のノートに、日本では絶対語られない、語られなかった「本当の言葉」を書きためていきます。
あるバックパッカーがその「本当の言葉」集を見て、愕然とし、ネットに「スナフキンの手紙」というタイトルでその「本当の言葉」を流します。その時、日本はいろんな小集団に分かれ、日本政府軍と流血の戦いをやっています。そして戦士たちは、時々そのネットに密やかに流されている、「本当の言葉」集を見ては、癒やされ、また戦いに参加していきます。
このネットに流されている「本当の言葉」は最後まで明かされないところがまたゾクゾクで、この芝居は第39回岸田戯曲賞を受賞しています。
1994年というは、阪神大震災もなく、地下鉄サリン事件もなく、Windows95もない、そんな時代でした。そして芝居を見終わった後、あの「本当の言葉」って、例えばどんなものだろうと、ちょっと考えたりしました。具体的に思い浮かべれば思い浮かべるほど、いや、そんなの「本当の言葉」じゃないよとか、日本で語られてるなぁ、とマンマと作者の鴻上尚史さんのワナにはまっていくのでした。
今、時は2010年、ネットも成熟し、Twitterもある時代。皆さんも経験あると思いますが、意外な場所で、今まで日本では語られなかった、語ろうとされなかった「本当の言葉」を目にすることがあります。
どうしてそういうことになっているかと考えますと、1994年当時は、まだ言葉は特定のメディア、特定の作家、特定の人しか発信していなかったからだと思います。2010年となると、ほぼすべての人が何らかの電子ツールでメッセージを発信し、ネット上にも記憶されていきます。「本当の言葉」が語られる環境がもの凄く整ってきたのだと思います。
AKB48の「夕陽を見ているか?」 にも彼女らの心情を先読みして秋元康氏が「本当の言葉」を注入したりしています。AKB48が「夕陽を見ているか?」を歌う時、目がうるんでいるのはそのせいだと…そんなミーハーなことはどうだっていいんですけど(笑)
CNET JAPANでも「本当の言葉」はこれからも大事にして欲しい。
それだけです。


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20数年広告畑で畑を耕しています(笑)コピーライターでありながら、複雑系マーケティングの視野からWebプランニング、戦略シナリオを創発。2008年2月より某Web会社の代表取締役社長に就任。snafkin7としてのTwitterはこちらからどうぞ。

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