2009年05月25日
正木明 「ツバルの夕暮れ」写真展

正木さんのエコスタイルはものすごく自然で、おそらく、東では糸井重里、西では正木明、という感じなくらいナチュラルな発想から始まっている。
今でこそエコ、ECOはCSRと結びついて実のある活動になりつつあるが、1990年前後にあったエコロジーブームの時はヒドイものだった。完全にファッションやモノを売るためのエコロジー。その動きに敏感に反応するいい企業もあった。PARCO。
PARCOはファッションビルでありながら、当時のエコロジーはちょっと嘘くさいと称し、そんなことより、日本の全家庭で朝顔の種を植えよう、みたいなアイデアを出していた。緑を増やすには、それが手っとり早い。笑い話のようだが、なんだかんだ語るよりその方が早いよなぁとその発想に感心していた(笑)簡単に出来ることの極致。
私は私でVISAGEというファッションビルで「エコロジーのうそつき」というキャッチコピーでエコロジーブームの時に反エコロジーを展開した。アースカラーファッション全盛期の時にあえて、原色をフェイシングし、もっと明るく生きましょうみたいな…。モデルにもこだわって、丸井に出ていた娘たちを採用した。各テナントからは大反対をくらったが、当時、そこの全プロデュースをまかされていたので押し切りもえで(笑)苦肉のあげく、その後、パーソナルカラーという発想を得て、自分自身、ちゃんとしたカラーマーケティングを展開できるようになった。当時の自分は正直で(笑)「おしゃれ漂流」「流行裁判」などのキャッチコピーで、押しつけのファッション販売からサヨナラしましょうというラインを強く主張していた。「おしゃれ漂流」のポスター撮影では、奄美大島までロケに行き、当時の流行通信でスーパーモデルに入っていた中村ひさみちゃんを使い、コムデギャルソンの服にさらにハサミを入れ、ボロボロ姿で海から陸にたどりついた感じ、みたいな写真を撮り、今考えると、無茶苦茶やってたなぁ(笑)ですが(笑)
広告屋はブームにのることも大事だが、多少の自分の意見も持つことの大切さを痛感した体験だった。それ以来、自分の思いと相反する企業の広告にはほとんど関わらなくなった。
今日の正木さんのトークショー&写真展は、積水ハウスのマンションギャラリーで開催されていたが、積水ハウスのCMでもやっている「5本の樹計画」は、昔のPARCOが提案していた、日本全家庭朝顔栽培計画に通じるものがあって、好感を持つ。そういう出来ることの地道な活動を継続的に行っているところが本物のECOを展開するのではないかと思う。
正木さんの実物は、TV以上に爽やかだった。参加している人も熱心だった。
20年近くたって、環境問題も深刻化し、エコ活動もようやくまともに動いていくような気がして、帰り道はちょっと小雨だったが、晴れ晴れしい気分だった。
正木明さんのエコ関連インタビュー