2008年12月24日

マーケティングの前に大事なこと…

faff636e.jpg今の時代を景気後退期ととらえるか、セカンドの産業革命期ととらえるか、でマーケティングの進む道は大きくわかれる。まず、はじめの景気後退期ととらえるマーケティングは、おそらくうすっぺらいマーケティングとなると思う。同時に、現代を金融大恐慌をきっかけとする危機状態ととらえるニュース(新聞・TV)は今さら言うまでもなくうすっぺらい情報だ。

一時期、時代にそぐわなくなってきたと勝手に判断していた「吉本隆明」が今、糸井重里氏などのブロジェクトによって、再び丁寧に語り出し、現在をリアルに抉りだしている。

2008年2月時点で、世界大恐慌の可能性を語り出し、現在を第二の敗戦期と語り出したあたりは、今いちばん世界情況を把握している人物の一人だろう。

確かに昔も凄かった。

私の場合は、17歳の時に「言語にとって美とは何か」「戦後詩史論」と出会ってから、大学時代は東京でやる講演会にほとんど顔を出し、なんと30歳くらいまで過去のものから新刊、「試行」まで愛読していたから、ちょっとマニア領域に入るのだが、彼が伊豆でおぼれかけてから、パタンと自分の中で吉本隆明離れが始まった。時たま本やインタビューには目を通していたが、いやあ、やっぱり視点がズレはじめているという印象が強くなった。それは、いつまでも彼に影響されていてはいけないという思いも強かったし、自分なりに物事を判断できるようになっていたからだろう。

ほぼ日あたりに、吉本隆明をひっぱり出している光景も本当はあまり好ましくは思っていなかった。好きだよねぇ、あの世代っていうか、ダシをとった後にダシをとっているような気がして…

しかし、そんなことを繰り返しながら、確かに老いてはいるが、糸井重里がリハビリの理学療法士のような役割となって、淡々と昔からの流れで、現在をきちんと語り出しているあたりは、あらためて凄さを感じるが、糸井重里も吉本隆明を本当に愛しているのだと思う。

彼の言う、第二の敗戦期、第二の産業革命期と精神病・神経障害の関係性や、アメリカや中国にできない、この時期の乗り越え方は具体的に見えないが、この時期をブレークスルー可能性があるのは日本だけだと示唆しているのは、なんとなく、今の時代、勇気づけられるような気がする。

また、第二の産業革命は、第二次産業の構造を大きく変革しつつある。サプライチェーン、グローバルバリューチェーンなどいろんな進化形があったにしても、この時期になってトドメを刺された感がある。

そしてニュースなどでは、変な庶民意識から、消費税率アップに反対のような姿勢をとっているが、フツーに考えれば、所得税などなくして、消費税を大幅にアップする方が今の日本の産業構造・人口構成からいって理想なのは誰もが解ることだと思う。

第二次産業の雇用問題と消費税の問題が同時に出てきているのは、何も偶然でもなんでもない。二つは密接に絡み合っており、どちらも善悪問題として止めることはできない。

政治・経済の問題ももちろんだが、マーケティングがいかに手法だけでは成立しないかがわかる。景気後退期と捉えたマーケティングも既に存在するが、やはり、おかしい。

景気後退のおかげで、パティシエのスイーツからもっと素朴なスイーツが流行るでしょう、なんていうのは既にTVでやっていた。本当に情けないと思う。

第二の産業革命期ということは、景気後退期といわれる中でも着実に堅実に利潤をあげていっている分野があるということで、そちらに目を向けない限り、あらゆるマーケティングは不可能であると思う。

スイーツを例にとると、単なる価格の問題と捉えるのか、産業構造変革からくる精神的なものととらえるか、ロールケーキを形体の問題と捉えるのか、合理性の問題と捉えるのか、で考え方はガラッと変わってしまう。

今の風潮でいえば、高単価商品はすべてブーということになる。しかし、それでは東京ディズニーの今年の好調ぶりは説明できないだろう。サービスの質を極度に上げている場所。第二の産業革命の場所とは別にインターネット関連ということではない。第三次産業を超えて、第四次の可能性と夢を提供している場所にあらゆる可能性があるのだと思う。

ブランド品が売れなくなった。のではない。ブランド品であろうが、ノンブランド品であろうが、ネクストの夢を示せているものは、これからもどんどん売れ続けるのだと思う。

ネクストの夢。それを具体的に示し、買う価値を示すこと。それがこれからのマーケティングなのだと思うが、当分は、不景気の残像ニュースが主流をしめ、平均的な庶民などいなくなったにもかかわらず、庶民の味方を装う情報が主流をしめていくのかなと思う。

その流れを細かく見ていくためにも、老いてしまった吉本隆明の発言も期待したいものです。

彼の絶頂期の講演で「僕がダメになったら、ちゃんと両手を挙げる、まだまだ大丈夫だ」というセリフがありますが、まだ両手を挙げていないところを見ると、まだ信頼できる部分が多いような気もする。

マーケティングベースに吉本隆明を必要とする、というのもおかしな話かもしれませんが、この難解な時代、ないことはないと思います。

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snafkin7
30数年広告畑で畑を耕しています(笑)コピーライターでありながら、複雑系マーケティングの視野からWebプランニング、戦略シナリオを創発。2008年2月より某Web会社の代表取締役社長に就任。snafkin7としてのTwitterはこちらからどうぞ。Facebookはこちらから。
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