2008年05月20日

「中国で成功するマーケティング」を読んで

9c130b82.jpg書評を展開するつもりはありませんが、たまたま手に入れたので(笑)「中国で成功するマーケティング」は、中国に1度も足を踏み入れたことのない人、中国に対して具体的にイメージがわかない人には入門書になるのかもしれません。

というのも、自分の場合は、北京、上海、蘇州、大連、香港へ複数回、行ってますが、行く度に、ここではマーケティングはできないなとだんだんと強く感じてくるからです。

この本で語っている「パワー生活者」は確かにいるし、インドの新中間層みたいに、かなりのボリュームでいることは確かです。しかし、一方でパワーのない人たちもかなりいるし、逆に想像もできない富裕層もかなりの数でいます。

例えば、大連の星海公園は夜景も綺麗なので何度も行きましたが、夜、ここからお城のようなマンション群が美しく輝きながら見えます。訊いてみると、日本でいう億ションで、香港スターなどもリゾートマンションとして所有しているとのこと。そしてその説明と一緒にいつも語られるのが、中国の富裕層は日本の富裕層平均と比べ一桁違うという話です。煙草でも1箱2円から2万円の幅がある中国ですから、なんだか納得です。私の場合、中国の大連で結婚式を挙げましたが、その時、お祝いに来て頂いた人たちの中には、成功者が何人かいて、乗ってる車も来ている服もジョークの質もかなりでした。またビジネスにはかなりシビアそうな感じで、ここではやっていけそうにもないなと…みんな恐ろしく酒が強いし(笑)こっちも強い方ですが、パンパン相手をしていると、ヘロヘロになってしまいました(笑)ヘロヘロになった頃にこう告げられるのです。「お前は日本人だけど、いい奴だ!!一緒に北国の春を歌おうと…笑」なんだ、この人たちは?笑

上海などに行くと、この本で紹介されているパワービューティ+株の成功者がいます。彼女らは日本のOLとは違って、バンバン自分にも投資するし株にも投資し、巨額のマネーを手にしている人もいます。そして、ジャニーズ系の日本人留学生の男の子をかこったりしています。こういう不謹慎なことはあまり報道されませんが、それを目当てにしている人たちもいます。

この本での統計値はすべて真実なんですが、日本みたいにあまり上下差のない統計値ではなく、上下差がかなりある統計値なので、果たして、その統計値ラインにいる人たちがどれだけいるかといったら、少々疑問に残ります。

誰も知らないと思いますが(笑)私の場合、「おはよう北京」という映画のように、ちょっと経済的に進んできたあたりの中国が好きで、もうそんな牧歌的な雰囲気は微塵もない(笑)

中国で成功すること、至難の業です(笑)

例えば、日本企業で、中国全地域で成功しているところはないと思います。

親日の上海・香港・大連あたりでは、なじもうとするとなじめるので、それなりのアプローチはできるでしょうけど…継続的に成功をつかもうとしてもなかなか難しいのではないかと思います。

この本を読んでいて思い出したのが、昔、パルコが出版していたマーケティング情報誌「アクロス」。そんな感じでいいまとめ方ではあると思うのですが、「アクロス」がもう市場をあるパターンでくくることはできないと廃刊宣言したように、目安にはなっても、そう一筋縄ではいかないよなと思ってしまいます。

上海人と北京人と両方に親しい人がいると、結構困ります(笑)上海人は必ず北京人を罵倒しますし、北京人は上海人を罵倒します。本当に、同じ中国人かと首をかしげたくなることが多々あります(笑)

オリンピックを機に、グローバル化が一気に進めば、マーケティングはそんなに困難ではなくなると思いますが、やはり、広すぎて、人が多すぎて、とにかく中国語が思い切りできなければ、この国での成功はないと思いまふ(笑)とまとめておきまふ(笑)



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30数年広告畑で畑を耕しています(笑)コピーライターでありながら、複雑系マーケティングの視野からWebプランニング、戦略シナリオを創発。2008年2月より某Web会社の代表取締役社長に就任。snafkin7としてのTwitterはこちらからどうぞ。Facebookはこちらから。
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