2014年07月

2014年07月20日

セーラーゾンビ 最終話

oowada

放映中にAKB48握手会のノコギリ事件があり、一時放送中止となった「セーラーゾンビ」だったが、全12話が放映された。途中、ストーリー的に中だるみがあったが、最終話はB級ドラマの匂いをぷんぷんさせながらもなかなか感動的な結末だった。あの懐かしい気分、空席の多い映画館でB級映画を真昼間見ながら、こんな映画、誰も真剣に見ないだろうなと思いながらも、この映像には後々意味深になる要素が含まれていて、これを見ている自分はなんだか得している気分〜あるいは目的もなく異国に行って、今動いている日本の時間がどうでもいいよになるよな気分〜そういう不思議な空気感が「セーラーゾンビ」の最終話に詰まっている。

乾舞子(17歳)を演じるAKB15期生の大和田南那(なーにゃ 14歳)。総選挙では圏外だったのは意外だったが、間違いなくAKBグループの中では、歴代も含めて、いちばんアイドルの気質と美貌をそなえている。最終話では舞子のデビュー曲「最初の愛の物語」をゾンビの前で初披露することになるのだが、このライブシーンは何ものにも変えられない崇高な時間となっている。音楽が鳴って踊っている限りはゾンビは襲ってこない。秋月百花(川栄李奈)が疲れた素振りを見せるが、乾舞子(大和田南那)は「私は大丈夫、いくらでも歌えるから」と、たとえ観客がゾンビでも天真爛漫にライブを続ける。そして、これは死ぬまで歌う覚悟なのだ。(実際の大和田南那は歌手になることを諦めているだけに逆に面白い)

このシーンで浮き彫りにされているのは、世代的な時差だ。「マジすか学園」で主役をやった、前田敦子・島崎遥香は画面の裏に、ミルクプラネットの渡辺麻友は夢の中に、川栄李奈は隣にいるが、大和田南那は、それらを全部超えて、新しい空気を吸っている。本人が諦めている歌手はもういいが、他のグループのアイドルや俳優の同世代と共演して、学園もの、青春もの、恋愛ものの映画やドラマで新しい道を歩く可能性を充分秘めている。NHKの朝の連ドラでもいい。AKBそのものは解体しているようなものだから、卒業云々の道を歩まなくても自由に振る舞って欲しい願望がある。但し、昼ドラで期待をかけたNMB48の城恵理子がイマイチな演技で、ああいうやってはいけない失敗はあるが、大和田南那の場合は、センスという面ではかなり恵まれたものがあるような気がするので失敗はないだろう。

今回の「セーラーゾンビ」は秋元康氏は監修だけにとどまり、企画・演出・脚本が犬童一心氏が手がけているのも良かったのかもしれない。ゾンビパロディとしてはとても良くできていて、ライトに笑えるシーンも数多かった。
最初の愛の物語
叶わぬことで永遠に続く
告白してもしなくても
ずっとずっと想い出の中

秋元康氏の作詞も大和田南那を通して、初心に戻っている。

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無料動画 セーラーゾンビ・最終話
http://www.doramadougas.com/sailor-zombie/sailor-zombie-12/









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