2011年08月

2011年08月28日

荒川アンダーザブリッジの桐谷美玲

kiritani「荒川アンダーザブリッジ」は中村光のギャグ漫画だが、実写版ドラマがなかなかいい味を出している。小栗旬のカッパ村長、山田孝之の星などは近づけようがないが(笑) 林遣都のリク、桐谷美玲のニノは原作のイメージも損なわず、林遣都の実妹が原作ファンということもあってかなり真剣に取り組んでるし、桐谷美玲も原作のキャラに近づけようと3回も髪の毛を染めなおしている力のいれよう。

何より凄いなと思うのが、金星人のニノの漫画での立ち姿(漫画特有の割り箸のような足の細さ・現実にはありえない)をセブンティーンモデルだった桐谷美玲が再現してしまってることだ。漫画と実写を並べてもあまり変わらないくらいだ(笑)

「荒川アンダーザブリッジ」という人気コミックを実写版につなげ、映画上映・DVD販売に動線を敷こうとするマーケティングにも興味がある。視聴率は2〜3%を推移して、深夜枠ではこんなもんだが、この2〜3%は結構濃い2〜3%だ。映画上映をコンバージョンとした時、この2〜3%中のコンバージョン率はかなり高いものになるはずだ。また私のように桐谷美玲ファンは、かなりの思い入れとともに(笑)いろんなものを買ってしまい、コミックの方への跳ね返り効果も期待できるはずだ。

「荒川アンダーザブリッジ」のアンダーザブリッジはレッドホットチリペッパーズの歌詞タイトルから来ているらしいが、「アンダーザブリッジ」は難解な歌詞の多いレッチリの中でもわかりやすい歌詞の方だ。

街の繁華街にかかる橋の下、
Under the bridge downtown
そこは俺が戦った場所。
Is where I drew some blood
街の繁華街にかかる橋の下、
Under the bridge downtown
俺はどれだけでも手に入れることができた。
I could not get enough
街の繁華街にかかる橋の下、
Under the bridge downtown
愛を忘れたこともあった。
Forgot about my love
街の繁華街にかかる橋の下、
Under the bridge downtown
俺の人生を捧げた場所。
I gave my life away


人よりも街を愛した歌だが
ロスと荒川の違いはあっても、哀愁だけは共通している。

橋の下とは純粋な魂の夢の場所だ。

現在ではどうでもよくなった忘れ去られたこの場所で夢を見ようとすればするほど、悲しいものがこみあげてくる。「荒川アンダーザブリッジ」はギャグ要素だけで構成されてるようなストーリーだが、おかしみの隣に必ず悲しみが寄り添っていて、おかしくてやがて悲しきの美学が凝縮されている。

現在ではどうでもよくなったキャラクター、カッパ、ラストサムライ、シスター、鉄人、タイハクオウムなどが現在社会とちっとも交わらず、マイペースでコミュニティを形成し橋の下で暮らしている。

「荒川アンダーザブリッジ」を描くきっかけになっているのは、おそらく作者の深い思いがあるのではないか。結構な孤独感。レッチリの歌とも共通しているのではないか?

俺にはパートナーなんかいないような気が時々するんだ。
Sometimes I feel like I don't have a partner
俺のたった一人の友だちは、俺の住んでいるこの町じゃないかなって気が時々するんだ。
Sometimes I feel like my only friend is the city I live in
天使のような街
The city of angel
俺は孤独だけど、一緒に泣いてくれる。
Lonely as I am, together we cry


フェリーニの映画「カビリアの夜」のラストシーンみたいに、幻想的なキャラがいっぱい出てきて主人公を励ましてくれる。「荒川アンダーザブリッジ」の作者は、純粋な友達をいっぱいつくってみせたのだ。そしてそれは作者だけの孤独感ではない。イマの人々は多かれ少なかれ同じような孤独感を感じているはずだ。

ずっとみんなといっしょにいることを願う金星人のニノ。そして金星に帰る時に、リクも誘い、みんなも金星に………

レッチリの「アンダーザブリッジ」は1992年頃、もう今は橋の下でさえ、夢見る場所ではなくなっているのだ。

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2011年08月26日

ドラマ「ブルドクター」の夫婦のすれ違い表現

satomi視聴率12〜13%をキープし続けているドラマ「ブルドクター」。元第三舞台の池田成志さんが出てることもあって見始めたが、シナリオ・演出ともきめ細かく、いちばん気に入っているドラマだ。また、第8回目は、もう25年ファンである長野里美(第三舞台)さんが出てて、これまた感動した。長野里美さんは、ツイッターでよく返事を返してくれるので、感想をツイートすると、フツーに返事をくれた。

いや〜面白い時代になったものだ。
いつも舞台を見て、元気をもらっていたのだが、長野さんと話なんかする日はないのかと思っていたが、震災のこと、昔の舞台のことなどで、やりとりできるなど想像もしてなかったが、Twitterのおかげで時々からませてもらってる。本当にいい時代になったなぁと…

そして第9話の江角マキコと市川亀治郎の夫婦のすれ違いシーンにはこれまた感心した。

1) 共働きのため朝から家事をまかされイライラ
2) 子供に簡単に電子ゲームを買い与えたことを注意されイライラ
3) 気遣ってかけた言葉をさらりと流され、自分のことしか言わない妻にイライラ
4) 友だちと飲みに行こうとすると、自分の都合で家に戻されイライラ
5) その後、連絡もなくイライラ

誰もが経験するすれ違いをリアリティ濃く演じていた。しかもすれ違いを重ねていって、ツラサを現実味たっぷりに醸すドラマを今まで見たことがない。

このドラマは人と人の関係を本当によく描いている。しかも役者の現実に近くしたキャラクター設定なので、見事にはまってしまうのだ。

夫婦のすれ違いだけでなく、親子のすれ違い、恋人とのすれ違い、同僚とのすれ違い。日常の人間関係にとてもニアで、かなり丁寧につくっているなぁと…

石原さとみと稲垣吾郎の関係も面白い。霊能力者…、流れ星で何かをつかんだようなこの二人はなかなかの新境地を開いているようだ。

これは見る側だけでなく、演じている方も面白いのだろうなと思う。

どういう話の閉じ方をするのかいろいろ楽しみだ。



2011年08月25日

WBS 超ニッポン 秋元康が語るAKB48アジア進出ヒットの法則を見て

一言で言えば、トリミング編集のマジック(笑)

こういう場では必ず初期コンセプトの「劇場が原点」が強調されるが、実は今はそうなってないところがもの凄く違和感がある。乃木坂46を作っておいて、劇場に帰ればいいなんて…よく言えるなぁというのが正直なところ。

親日のシンガポール、台湾、そしてロス、ニューヨーク、モスクワのワンシーンを挟むことで、いかにも海外で評価されているかのように見えるが、それは映像のフレーム内だけの話。

未完成だからいい、未完成なものが日本らしい、海外のものなんて見なくて好きなことを詰めていった方がいい。とはビジネス番組でまったく説得力のない意見を平気で言ってしまう無神経さ。

好きなことを好き勝手にやって、国内では破綻しかけているというのに、これでは「アジア進出ヒットの法則」なんていうタイトル(暫定)が本当に悲しく映ってしまう。

日本の場合は過去いつもアジア進出という言葉は国内人気衰退期の隠れ蓑で、今回もこれははまってしまうのではないか。台湾ではまゆゆ一人、シンガポールでは佐藤すみれ、倉持など3人と、手薄なコンタクトだなと…韓国勢が日本に押し寄せてくるようなパワーが見えない。

自分の場合は、HPもなく、ほったかされ気味のHKT48の展開が心配だ(爆)

概して、WBSの番組自体がとてもつまらない。AKB48を取り扱っていても、上から目線で語りつくされているようなところをうろうろしている。テレビ東京は、AKB48の番組を結構運営しているのだから、もっと突っ込んだ取材も可能なはずだ。日経色が出すぎていて、おじさんもこの程度は知っておいた方がいいところで収まっている。

AKB48の海外進出の話なのに、ブロードウェイで本格ミュージカルを別口でやるなんていう話はまったく関係ない。秋元康の自慢話じゃないんだから(笑)

感想としてはそんなところですかね。

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30数年広告畑で畑を耕しています(笑)コピーライターでありながら、複雑系マーケティングの視野からWebプランニング、戦略シナリオを創発。2008年2月より某Web会社の代表取締役社長に就任。snafkin7としてのTwitterはこちらからどうぞ。Facebookはこちらから。
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