2011年03月

2011年03月03日

関係の絶対性を歌った「Answer」-no3b

answerなにげに「週刊アスキー」を読んでいたら、目次ページの小さな欄で熱く語っている小嶋陽菜(こじはる)がいた。ノースリーブスの新曲「Answer」について。この曲は今の自分たちに対するファンの気持ちが投影されていると。

それは、もう人が集まらない、視聴率がとれない、マニアのアイドルではない、人気が出てちょっと距離が遠くなってしまったアイドルへのファンの思いだ。小嶋陽菜は語る。「みなさんがいろんな思いを抱いてライブや握手会に来てくださって、ファンの方にお会いできるのは短い時間だけかもしれませんが、その熱い思いがひとつの答え(アンサー)としてこの歌詞に表現されているんじゃないでしょうか」

確かに「Answer」の歌詞は普通じゃない。

与えるだけの愛があるんだ
なんにも知らずに微笑めばいい
僕にはそれがひとつのAnswer
気づかせたくない切なさの距離

大好きなアイドルに向かって「なんにも知らずに微笑めばいい」というファン心理はかなり先の先をいっている。また「気づかせたくない切なさの距離」とはファンの心の底の底の本音だ。

以前から、AKBはこれからどこに着陸、着地するかに興味を持っていたが、ファンの本音に着地するという、本当は恐ろしい場所に正々堂々と向かっていることにゾクゾクとする。

歌詞の「僕」は「気づかせたくない切なさの距離」を感じながらも

いつかのために愛があるなら
その日が来るまでこのままでいい
君の心が折れそうな時
運命のようにこの手 伸ばそう

その眼差しの向こうには
時に悲しい景色 見える日もある
慰めじゃ埋められない
そんな震える肩を抱きしめたいよ

僕がいること 気づかなくても
両手を広げて バリアになろう
君を傷つけ苦しめるもの
僕が身代わりにすべて 受けよう

と永遠に「君」を守ることを
「僕」はひとつのAnswerとしている。

これは凄い。

「僕」と「君」の切なさの距離を受け入れ
この関係性の中で愛を成立させると言っているのだ。
そしてそんなことすら「君」は知らない。

でも 君は知らない
(ずっと)
風がただ吹いてるだけ

この「僕」は本当に愛しているから
与えるだけの愛でもいいと言い切っている。

そして、これは秋元康がAKBメンバーに投げかけた重い課題でもある。こんなことを言い始めているファンが増え始めている。どうする?

小嶋陽菜は週刊アスキーでこう語っている。「いつも応援してくださってありがとうございますという気持ちを歌で伝えることが、私たちのアンサーなのだと思います。アルバムが1位になれたのはみなさんのおかげで、その感謝の気持ちもアンサーとして歌に込めたいです」

これを読んだ時、ここでおこってることは新約聖書の世界なのかと感心した。まるでキリストとキリストの弟子達が本当の愛とは何かに苦しみ、光をみつけていく姿のようなのだ。

しかも、この愛の弟子たちは、裏切らない。

ファンに育てられた彼女たちが、帰って行く場所、着地する場所もファンなのだ。

「僕」は切なさの距離を決意するのだが、「君」は少しでも縮めようと思ってくれている。

本当のアンサーは未来にある。

「僕」と「君」の関係性が絶対である限り、魂が昇華する場所は絶対あるに違いない。

本当のアンサーは未来にあるのだ。







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30数年広告畑で畑を耕しています(笑)コピーライターでありながら、複雑系マーケティングの視野からWebプランニング、戦略シナリオを創発。2008年2月より某Web会社の代表取締役社長に就任。snafkin7としてのTwitterはこちらからどうぞ。Facebookはこちらから。
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