2007年10月

2007年10月20日

『情報大航海プロジェクト』なんてのがあった。

b13ec908.gif検索エンジンのこと、ばっか書いてますが、2つ前に書いた記事の中に、日本には国規模の検索エンジン開発がないと書いてしまってましたが、よくよく調べるとあるんですね(爆)『情報大航海プロジェクト』というのがあって、産学でGoogle、Yahoo!を超えるものなんて言ってます(笑)経済産業省とNTT、NEC、富士通、日立、早稲田大、東大などが主となっているため、研究会の議事要旨などを読むと、はなはだバカバカしいプロジェクトで、真剣にやれば莫大なお金がかかる、日本語では無理、後発では無理、情報保護が難しい、なんていうことを真剣に論じあっています。

現在のSEO、SEMを否定するような論調もあり、この人達なんなのかなと思います(笑)

彦麻呂的に言うと『次世代検索エンジン開発という名の国産ロケットや〜』みたいな(笑)こんなところに投じるお金があったら、ベンチャーにまわしてあげてよ、と庶民的なことを言うつもりはないですが、『情報大航海プロジェクト』サイトのどれを見ても、今の中学生が読めば『何やってんの』という内容。

お国のやること=ナンセンスとは思いませんが、これはあまりにも酷すぎますね。このサイト自体、日立コンサルティングがつくってますし、XHTMLで作ってはいるものの、GoogleやYahoo!で検索してもTOPページがあがらないという有様。メタのキーワードも埋め込まれてないし、ディスクリブションワードも埋め込まれていないという醜態。本気で検索エンジン作る気あんの、てな感想です。

日本の技術っていうのは、こんなレベルじゃないんですが、『情報大航海プロジェクト』を国策としている日本政府は、中国政府以下かもしれないと実感いたします。小さな政府を目指すのではなく、マイクロというかナノな政府を目指した方がいいかと思います。

ちなみに、フランスの国産検索エンジン「Quaero」に投じているお金は2年間で約400億円、『情報大航海プロジェクト』は約数10億円という予定。力の入れようが違いますね。

つらいなぁ、この国。徳川幕府の日本酒プロジェクトのような失敗を何回も繰り返しますから。徳川幕府の日本酒プロジェクトの致命的な欠点は、職人さんの手で計る温度管理が出来なかったことでした。この『情報大航海プロジェクト』にもなんかそういう人肌感というか体温がないんですね。

3〜5年後には実現することになっていますが、まぁ誰も期待してませんから(笑)でも、数10億円といえども、もったいないですね。

gooの5WIH検索 gooラボ

50b8bb7b.gif久々に『gooラボ』を覗いてみたら、なんとなくリニューアルされてて【検索UIラボ】のコーナーがあり、「5WIH検索」「スクロール検索」「goo mix検索」「空とび検索」などが並んでいた。それぞれ便利性をさらに追求したものですが、シンプルながらも面白いなと思ったのは「5WIH検索」です。

例えば、「北京オリンピック」という文字を入れます。

「What?」ボタンを押すと、Wikipediaが
「Who?」ボタンを押すと、中京女子大学記事が
「When?」ボタンを押すと、Wikipediaが
「Where?」ボタンを押すと、china.orgサイトが
「Why?」ボタンを押すと、オリンピック反対記事が
「How?」ボタンを押すと、入場券の購入方法が

どのワードを入れても今やどれかにWikipediaが表示されてくるのは仕方ないことで、まぁ、それでも視点を変えて機械的に表示されてくるのは、ちょっと面白い面もあります。

もうひとつ「アンパンマン」という文字を入れます。

「What?」ボタンを押すと、日テレの公式サイトが
「Who?」ボタンを押すと、アマゾンで声優・作者名が
「When?」ボタンを押すと、Wikipediaが
「Where?」ボタンを押すと、アンパンマンミュージアムが
「Why?」ボタンを押すと、画像・壁紙が
「How?」ボタンを押すと、手作りアンパンマンの作り方が

これはほぼ完璧ですね(笑)

ダブル打ち、トリプル打ち、に慣れてる人、検索リテラシーの高い人にとってはいらない機能かもしれませんが、あらゆる文脈の基本形が5WIHだよなとあらためて気づかせてくれるという意味では、いいんじゃないんでしょうか(笑)

広告の世界はもっとシンプルで、誰に、何を、どのようにの2WIHが基本軸。

意外とこの太い基本軸を忘れてしまいがちですが、年をとるほどこの土台が大事だなと(笑)

しかし、goo、NTTもいろいろやってるんですねぇ。

中国の米国検索エンジン、ジャック問題

10/17、ダライ・ラマ氏に対して「議会名誉黄金勲章」を授与したアメリカ連邦議会に腹を立てた中国政府が、報復???として、Google、Yahoo!、MSNの検索エンジンに中国国内からアクセスすると中国の検索エンジン「Baidu」(百度)にリダイレクトされるという現象がおきたらしい。

CNET Japanのニュースでは、他の理由もあげているが、ジャックが行われたということは事実みたいだ。

どちらにしても、中国政府は反体制な意見に通じないようなインターネット操作、フィルタリングをしていることはあり得、インターネットといえども、国が関与してしまうとモロイなと思ってしまった。

マルクスの「共産党宣言」を読みもしないで(笑)共産党国にしてしまった中国だからいた仕方のないことだと思いますが、やはりアジアで共産党革命をおこなったら、こうなるんだなと実感します。

1990年代後半から、資本主義と社会主義のハイブリッド政策を進めてきた中国。経済は資本主義方式、統治は社会主義方式、いつまでこのやり方が続くのかよくわかりませんが、今でも経済面の方が突っ走っているのはよくわかります。

アメリカの統治、日本の統治、インドの統治がいいとは思いませんが、ミャンマーを含め、時に裏で怖い顔をみせる中国政府はなんだかなぁと思います。

2008.8/8という中国では縁起のいい数字の日に開催される北京オリンピック。ここで思いっきり華やかなイベントは開催されるでしょうけど、世界一の民族を強調されてもなぁ……

2010年には上海で博覧会があるので、中国の勢いは計画的に進んでいきそうな気配ですが、どう統治していくんでしょうかね。

いずれにしても、今回のことでわかったことは、国を治めるのに、「検索エンジン」は重要なキーツールになっているということ。中国四の五のではなしに、もっと考えを広げれば、素晴らしい検索エンジンが出現すれば、それは世界発展にもつながる可能性もあるということです。

ここ10年を振り返って、Yahoo!やGoogleが世界経済に果たしてきた役割というのは凄いなぁと思います。インターネットそのものがそうなんでしょうけど…

中国云々も言ってられない記事が、10/19の日経産業新聞にありました。「インターネット広告はもはや無視できないメディアになりつつある」という表現がありました(爆)やはり新聞が重要なメディアだと思っているんですね(爆)前にも述べたように、広告費そのものでは、まだ雑誌を超えるかどうかのレベルですが、インターネット広告は低コストですむため、広告費で比較するのはナンセンスなのです。実際のメディア影響力で言えば、1位インターネット、2位テレビ、3位雑誌、4位ラジオ、5位新聞じゃないでしょうか(爆)

検索エンジン開発にプロジェクトを組まない日本のメディア、日本政府は、中国政府より遅れているのかもしれないなと、というオチにして、終わっておきます(笑)

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snafkin7
30数年広告畑で畑を耕しています(笑)コピーライターでありながら、複雑系マーケティングの視野からWebプランニング、戦略シナリオを創発。2008年2月より某Web会社の代表取締役社長に就任。snafkin7としてのTwitterはこちらからどうぞ。Facebookはこちらから。
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