2007年03月

2007年03月18日

検索リテラシーは、本当に低いのか?

e06b4e1f.gifわりあい新しい調査(F1・F2・M1・M2各100計400)で、検索エンジン窓に入力するワード数についてのものがあり、1つが50.9%、2つが43.7%、3つが4.4%、4つ以上が1.0%という結果となり、検索リテラシーが低いユーザーがまだまだ多いと結論づけているものがあった。

それならそれで、今後、検索リテラシーは向上して、検索エンジンビジネスはまだまだ成長という見方もできて良いのですが、果たしてこの調査結果結論、素直にうなづけるかというと、うなづけないんですね。

自分自身、もしもこのアンケートに答える立場だったら『初めにいくつ入力しますか?』という質問に、1つと答えていると思う。調べもんとかする時は結構、単数入力が多いですから…また、複数ワード入力するほど、検索リテラシーが高いと判断するのもどうかなと思います。普通はだいたい、単数で様子見、2つくらいで当たりを見つけ、3つ以上で絞り込むっていう感じでしょうから、またこんな作業に能力の高さ云々を計る高度な技ってないですから、あまりにもナタ切りの結論だと思います。

あと、ショッピング等になってくると、検索の必死さが違ってきて、『キティ・青・腕時計』なんてトリプルワードなんてザラですし、世の中の検索リテラシーは、そこそこ極まっていると思います。

ただ、日本の場合、Yahoo!とGoogle利用の割合が2:1、これがなかなか崩れませんが、Yahoo!を使ってるから検索リテラシーが低いかというと、なんとも言えないんですね。Googleで拾えないものが、Yahoo!に行ってあったりしますから…これは検索エンジンそのものの能力というよりも、Yahoo!のポータル画面が日本人に異常に気に入られているということだと思います。それと多少あったかいというか人間っぽい温度がするのが肌にあうのかもしれません。

検索リテラシー、本当に知りたい、本当に買いたい時、人は本気を発揮します。これは穏やかなのんべんだらりんの統計調査では、そのエネルギーは図れないかもです。そしてP4PやSEMでは、そんな本気の人にどう応えるかが勝負となってきます。

検索リテラシー、前にも書きましたが、心理学に近いです。

そして、この領域でも極めすぎると
大学のサークル棟の白い壁に油性マジックで書かれていた現代詩を思い出してしまいます(笑)

田村隆一『帰途』

言葉なんかおぼえるんじゃなかった
言葉のない世界
意味が意味にならない世界に生きてたら
どんなによかったか

あなたが美しい言葉に復讐されても
そいつは ぼくとは無関係だ
きみが静かな意味に血を流したところで
そいつも無関係だ

あなたのやさしい眼のなかにある涙
きみの沈黙の舌からおちてくる痛苦
ぼくたちの世界にもし言葉がなかったら
ぼくはただそれを眺めて立ち去るだろう

あなたの涙に 果実の核ほどの意味があるのか
きみの一滴の血に この世界の夕暮れの
ふるえるような夕焼けのひびきがあるか

言葉なんか覚えるんじゃなかった
日本語とほんのすこしの外国語をおぼえたおかげで
ぼくはあなたの涙のなかに立ちどまる
ぼくはきみの血のなかにたったひとりで帰ってくる





2007年03月13日

世界で青色が好まれる理由

3098f612.gif2歳9ヵ月になる娘が、とうとう青色に爆発した(笑)ディズニーチャンネルでやってる青色のタコのアニメ『ハロー! オズワルド』に夢中になりはじめ、キティの青い腕時計をしながら、ピカチューの青色携帯(おもちゃ)を耳にあてては『ハイ!もしもし、うん、今日行けますけど…』とやってる。着る服も急に青色が多くなり、ヨーグルトや飲み物も青色パッケージのものばかり。園芸屋に行っては、青色の花を買ってくれと玄関前の庭には青色の花が多くなってきました。次、靴を買う時はアンパンマンの青色にしてくれとリクエストまで…。

一時、カラーの勉強を真剣にやっていた時もあり、『青の時代』の傾向はわかっていても、小さな娘まで青一色になるのはゲセンと、世界の学生対象の好きなカラー調査を見ると、日本はもちろん中国、韓国、インド、ブラジル、イタリアまで、なんとなく赤や暖色系が1位だろうと思われる国までが、今は青が1位となっている事実に愕然としました。さすがに中国でも上海はどんな色にも染まれる白が1位ですが、北京は青!!おそらく、北京オリンピックは赤一色となるでしょうが、それは政治的なカラーで染められるだけで、人々の心情カラーは青だと理解していた方が良さそうです。事実上、明確に共産主義は終わったということですね。台湾なんて暑い国でも、水色→青→白の次に赤と黄がくるのです。

そうやって、ふとYahoo!やらGoogleやらMSNを眺めてみると、ロゴには暖色系が使われているものの、文字や背景の基調色はブルーなんですね。

この検索エンジンでの青使いは、自然にサーチストレスをやわらげるものとして効果的だと思います。

時代的な情報ストレスのようなものは、本当に小さな子供まで感じているようです。

娘と一緒に青いタコの『ハロー! オズワルド』を見てると、音楽がアコースティックジャズなのに気づきました。プリキュアを見ている時よりも、なんだか和んでいる様子。コイツも同時代を生きてるんだなぁと…。よく広告で、子供に対する優しい視線を売り物にしているものがありますが、まったくぅとんでもない。小さい子供は小さい子供なりに小さな戦いを言葉も選べないで必死でやっているみたいです(笑)上下の視線がある限り、今の子供とはコミュニケーションができない。そんなキツイ時代なのでありまふ(笑)





2007年03月02日

今のコンバージョンキーワードは、昔のキャッチコピーか?

d8659b3c.gif←左の図はクリックすると拡大します。さて、SEOやSEMに関わっている人には馴染みの『ビッグキーワード』『ミドルキーワード』『スモールキーワード』という言葉。例えば、-飲料-はビッグキーワード、-コーヒー-はミドルキーワード、-モカ-は、スモールキーワード、といったように、-飲料-でもし検索エンジンの上位になったら多くのアクセスはあるけれども何かを売ろうとして申し込みフォームがあったとしたら、必ずしも売りにつながるわけではないといったような言葉、-コーヒー-も同じく多くのアクセスはとれるけれども必ずしも売りにつながるわけではないと…もしコーヒーでもモカものを売りたくて、アプローチするならば、モカ関連で表示できるようであれば、モカ通が申し込む可能性が高いというような言葉がスモールキーワードです。そしてスモールキーワードは、特定の特定、絞ったような言葉の時もあれば、ビッグキーワード同士の組み合わせであったり、ビッグキーワードとミドルキーワードの組み合わせであったり、ショップや不動産であれば地名との組み合わせだったりするわけです。

極端な話、下北沢のデザイナーズマンションであったならば、ビッグキーワードの-不動産-や-マンション-で仮に上位表示されても、コンバージョン率は低いわけです。関係ない人が多いですから。ミドルキーワードのデザイナーズマンションでひっかかったならば可能性が出てきて、下北沢+デザイナーズマンションでひっかかったならば、これはかなりの高率でお問い合わせがあることになります。まぁ、これは例が単純すぎますけど…(笑)

ところがスモールキーワードとコンバージョンキーワードがイコールかというと、そうでもないんですね。最近では、コーヒーでもこだわりものを売るとすれば『おいしいコーヒー』というワードでひっかかるようにキーワードを意識したりします。GoogleでもYahoo!でも、結構、こだわりコーヒーの広告が表示されたりします。その中で『極上のコーヒーが飲みたい』という広告がありますが、この〜したいをキーワード主体にしているものは、かなり高度な引き込みです。前にも書きましたが、人の欲望キーワードでひっかかるようにしているんですね。コーヒーは豆の種類も大事だけど、究極はみんな『おいしいコーヒーを飲みたい』んだと。察知しているわけです。このワードを打ってきて、極めつけの広告に出会ったならば、数は少ないですけど、高確率で高級コーヒーが売れるんだと思います。しかもリスティング料は安いですね(笑)

先ほどのマンションだと『下北沢のデザイナーズマンションに住みたい』といったところでしょうか。まぁ今は部分一致でひっかかってるだけですが、スモールキーワードとコンバージョンキーワードの違いは、コンバージョンキーワードの方が極めて人間くさいワードであることです。

資産運用系ですと、-収益-という言葉がコンバージョン率を高めるサブキーワードになってきます。もっとダイレクトに-儲かる-なんて打ってくる人も結構いますからね(笑)

スモールキーワードで引きが強く、それで満足するか、もっとコンバージョンキーワードの核心まで押さえておくか、コンバージョンキーワードというのは、数は少ないですけど、人々が何を求めているかの研究になって、もし、それをすくえたならば、あとあと息の長いSEMやSEOを実現できるのだと思います。

そして、コピーライター(まだ現役かも・笑)として、ふと気づくのです。Webのコンバージョンキーワードは、広告のキャッチコピーと同類なのです。みんながぼんやり求めている言葉、それに出会うと(そこから出会ったもので)人々はすっきりし、何か行動をおこしたくなります。

地酒の方が絶対おいしいのに、大手酒造メーカーが美辞麗句を並べて、こぞっておいしくもない酒を売ろうとしていた時、否定はできないけど、味の判断はみんなにまかすよ、的な、しかも売り込めるような作りでもない。そんな時、『能書きはいい、飲めばわかる』は新鮮でしたね(爆)それで、実際お酒も売れたのでした(笑)コンバージョンキーワードも理屈じゃない部分があります。むにゃむにゃしている領域です。ジャンルによってケースバイケースでしょうし。まぁ、何でもためしてガッテンですかね(笑)



tora7
snafkin7
30数年広告畑で畑を耕しています(笑)コピーライターでありながら、複雑系マーケティングの視野からWebプランニング、戦略シナリオを創発。2008年2月より某Web会社の代表取締役社長に就任。snafkin7としてのTwitterはこちらからどうぞ。Facebookはこちらから。
最新コメント
月別マーケティング