2006年11月

2006年11月06日

YUSAKU MUSIC NOTE

92234d6b.gifマーケティングとどうしても結びつかなかった不思議な街があります。1980年代の下北沢という街です。一見、おしゃれで流行の店も多いこの街ですが、音楽的に極まった街でした。

当時、TAKE 5、LADY JANE、ZOO、裏窓、マサコなどJAZZ系のライブハウスや喫茶が結構あり、いつもその辺に渡辺兄弟や日野兄弟の弟のドラマーがうろうろしており、本多俊之がまだ学生でTAKE 5で客4〜5人でライブをやってたりしました。上にあげた店の中でも、LADY JANEは駅から遠く、小さな店なのだけれど、渡辺香津美、高瀬アキ、井野信義などがよくライブをやってて、一風変わった客が多かったような気がします。時代と関係あんのか、そんなことはどうでもいいマイペースな雰囲気がとても好きで、トランペットを吹く友人とときたま、ライブ帰りの仕上げに行ったりしてました。

つい最近、ここのオーナーがCD「YUSAKU MUSIC NOTE」を出しているのですが、その解説を読むと、松田優作が1986年頃からLADY JANEに通い出しているみたいで、あぁなるほどな、という気がします。このCDも松田優作がLADY JANEで聴いたり、好きだった曲を集めたものでちょっと変わってるのですが、松田優作のフィルターが通ってるだけで、なかなかいいCDとなっています。

LADY JANEというのは時代と迎合するわけでもなく、いい音楽といいライブをやってりゃ、客は来るし、自分自身が満足したい、そんな店で、CDを見ると、まだ健在みたいで、その後、TAKE 5はなくなり、ZOOはテクノ系、マサコはまだあるけど寂しい喫茶店に変わってて、LADY JANEプロデュースのこの新しいCDは、すべてが古くさくなく、ニーズなんかに迎合しなくても、強く生きていけるのね、と感心するばかりです。

CDのしめくくりは店と同じ、トム・ウェイツの「オール55」

時はすぐに過ぎていってしまう
だから俺はいつもの55年型で突っ走ったんだ
速度を落としたらとても神聖な気がしたのさ
本当に生きてる感じがしたのさ

本当に生きてる感じか、

英語では
God knows I was feelin' aliveで
過去形なのでなんとも悲しいいい曲なのですが

大きなお金を使って、短い流行をつくることのはかなさを心底感じます。

インターネットも週休3日制を目指すものでもあったのですが、余計に仕事の密度を濃くしていくばかりです。

細かいニーズは多々あれど、

「本当に生きてる感じ」

そこをはずしては、何かを考えるにしても、間違った方向にいっちゃうんでしょうね。






2006年11月02日

口コミは器によって元気を取り戻す。

自分の中でいちばんうらやましいなと思う時代が江戸時代。それも上方ではなく江戸という密度の濃い街です。おそらく地球レベルでいうと、今の時代の方が文化度は高いだろうし、進んでいるのは進んでいるのでしょうが、こと江戸という狭いエリアに限っての生活文化の密度は今の日本のどの都市と比べても高かったのではないかなと思う時があります。それは今の膨張した東京よりも濃密な進んだ街だったのではないでしょうかネ。

江戸の街では常にコミュニケーションが盛んで、メディアは口コミや瓦版や芝居や演芸です。朝起きて、人と顔をあわせれば、身近な噂を口にし、どこそこの茶屋のあの娘は可愛いと口コミし、見に行っては感想を広め、銭湯に行ってはいろんな世間話に花を咲かせる。帰りに屋台の江戸前寿司を2〜3個つまんでは誰かと口コミし、寿司の中から銀銭が出てきたら、当たったと喜び、それをまた人に広める。みたいな限られた濃縮したエリアで口コミを主として、いきいきとコミュニケーションを図っていたような気がします。

江戸は完結した健康的な口コミの街であったかもしれません。

それが、明治に入り、流通が盛んになり新聞のようなマスコミが台頭してくると、かつてあった濃縮な街はどんどん薄まっていきます。日本全体としては、文化度が高まっていくのですが、一つ一つの街は希薄になっていったのかもしれません。田舎では口コミが健在ですが、都市部では画一的なコミュニケーション方法が力を持っていったのだと思います。

密度の薄い場所では、口コミってあんまし威力を発揮しないのですね。

なんだか、明治、大正、昭和、平成初期と、口コミって、あるにはあったんですが、本来の健康的な力を発揮していなかったように思います。悪い方の口コミ、噂、デマは、多々あったにしても…。

そして、都市や文化が拡散し続け、どこまで拡散していくのだろうと思っていた矢先に、インターネットのような再びすべてを結びつけるような凄い器が誕生しました。ようやく密度を濃くするメディアが出てきたのだと思います。

現在、口コミのことをBuzzとか、カッコイイ言い方もしますが、ミクシィみたいなSNSは、バーチャルに密度の濃い街をつくり、そこで口コミを懐かしく復権しているような気がします。バーチャルな江戸の街がいっぱいできつつあると思うと、割合いい時代かなとも思います。しかし、それはバーチャルな世界だけで、現実の学校や職場やそういうリアルな場所は江戸ではなく、村八分に近い田舎のキツイ閉塞的な場所となりつつあります。

コミュニケーションが解体されたリアルな場所と口コミを復権しコミュニケーションを再構築しようとするバーチャルな場所。

ニュースを見ているといつもこの二面性をつきつけられてるような気がします。

ITとかいっても、まだまだパソコンのある場所だけの話で、リアルな世界をもっと自由にする現実のネットワークを結ぶのってこれからなんでしょうか。

ネットの中の口コミ全盛時代。

これを全体の引きこもり状態ととるのか、リアルの世界を変える準備ととるのか。

さて、広告って、これから何ができるんでしょうかね。ずいぶん悩むところであります(笑)

2006年11月01日

Googleで超スーパー検索

33115254.gifGoogleの検索オプションは、最近ではサラリーマンやOL向けにも新聞やらTVなどで紹介され、WBSなどでも「いやぁ知らなかった、便利ですね〜」とコメントされることもありますが、ここではあまり知られていない、検索オプションを書いておきます。

まず、これは自然にやっててわかった(笑)ことなのですが、同じワードのダブル打ち、トリプル打ち。名付けて「ツースリー打法」、なんかパチプロのベンツ小林が名付けそうな名前ですが(笑)

こんなことは誰もしないのですが(笑)最近やたらスポンサーサイトが増えてて、うっとおしい時があります。そんな時、例えば、「英語」でしたら、「英語」+「英語」あるいは、「英語」+「英語」+「英語」と打ってみてください。ダブル打ちではより「英語」の密度が濃くなっており、トリプル打ちではついに、スポンサーサイトは消えてなくなります。コマンドを入れなくても、単ワードでより密度の濃い情報を集めたい時は、ダブル打ち、トリプル打ちは効果的です。また、スポンサーサイトを消すことができます。

また、WebPageのタイトルだけに限定して検索したい時は
intitle:"□□□ □□□"
WebPageのURLだけに限定したい時は
inurl:URL
WebPageの本文のみに限定したい時は
intext:"□□□□"
また出したいファイルの種類を選びたい時は
"□□□□"filetype:■■■(拡張子名、例えばpdf)
ある特定のサイトだけから、ワード検索したい時は
"□□□□"site:URL
など、命令すれば、その通りに検索してくれます。

このfiletype:とかsite:をミックスしてワードを絡めると、びっくりするようなファイルが出てきてしまって、この国はどうなってんの?という事態になってしまいます。個人情報保護法とかいわれつつ、出てきてはいけないファイルがいっぱい出てきてしまいます。server:などでセキュリティの弱いサーバーを指定した場合、んーんという情報が出てきてしまいます。こんな単純なコマンドで、引き出せてしまうGoogleは賢いといいますか、Webは怖いといいいますか、pdfなど参考ファイルを手早く閲覧する時には便利ですが、xls、csv拡張子やinurl:を使ってのcgi-bin探しなどをすると、かなり黄泉の世界に行ってしまい、具体的な文字列をここでは表記しませんが、くれぐれも建設的な検索にこれらのコマンドを利用したいものです。

オープン目的でオープンにしている市場調査資料、アンケート調査などは、filetype:pdfと絡めれば拾えます。これがマーケティングで過去にやった内容を手早く調べる時には便利です。調査をする場合でも、どこかが同様の大規模調査をかけててオープンにしている場合は大変参考になる時もあります。

Googleの検索オプションはこんなものではありません。コンピュータ言語に慣れてる人であれば、やたらめったら長い指定を検索窓に放り込んでも動いてしまう時があります。

Googleは検索エンジンですけど、そのものがスーパーコンピュータのようなものです。

小さな検索窓から広がる、大きなソリューションの世界。

そして、Google earthのような、映画「ブレードランナー」を現実にしてしまった凄い世界。

Googleの中は、どこまでいっても驚きの世界でいっぱいです。

tora7
snafkin7
30数年広告畑で畑を耕しています(笑)コピーライターでありながら、複雑系マーケティングの視野からWebプランニング、戦略シナリオを創発。2008年2月より某Web会社の代表取締役社長に就任。snafkin7としてのTwitterはこちらからどうぞ。Facebookはこちらから。
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