2006年01月

2006年01月02日

Underground Resistance

5c9a5552.gifアメリカがいかに文化的に終わっているかは、AXNやFOXのTVを見ているだけでもわかるし、リッチー・ホウティンが拠点をベルリンに移したことでも、なんとなくわかりますね。完全に終わってないのがやっかいなところで、いやいやまだアメリカは凄いぜという意見があってもおかしくないですが、UR(Underground Resistance)の今度のアルバムが、『某年某月、人知れず日本のある都市にメンバーが集結し、彼らが尊敬の念を感じて止まない日本文化やその背景からの影響を受け、録音された珠玉の31曲を収録。』という摩訶不思議な行動を見ても、何やら、もう、アメリカは終わってると言いたい、てなことなんです。

年末に発売された、『INTERSTELLAR FUGITIVES PT.2 』は、テクノ専門店ぐらいにしかなかった『NTERSTELLAR FUGITIVES』から8年ぶりの新作となりますが、かつては、SFや宇宙、異文化指向で、もともとアメリカに地に足ついてなかったURですが、第二作目で日本をリスペクトするのはありがたい話ですが、これって喜んでいいのかどうなのか、日本人ってものわかりが良すぎますからね(笑)といいますか、Underground Resistanceの音楽闘争というのは、なんだかもう終わった感がしないでもないですね。

デトロイトテクノばやりの日本の中、かなり好意的な批評が多いですが、このアルバムを聴いて、懐かしさやスピリットは感じますが、本来の音楽闘争という意味では、なんとなくもの足りないんですね。その辺はマッドマイクのインタビューの支離滅裂さにも現れていますが、URがやはりアメリカの現実から逃避して欲しくないという願望もこめて、手放しで高く評価したくないですね(笑)

資本があるかどうかなんて、当然のことながら、もう闘争にとって、まったく関係ないんですね。

たとえば、URとgoogleやAppleのやってることが、どちらが闘争的かというと、断然googleやAppleなんですね、世界中のランドサット映像をアップして見せるgoogle earthなんていうのは、上からの視線で、タブー視されていた場所を見せることで、従来の世界観価値をひっくりかえしてしまいましたし、Appleは、IMSで従来の音楽ビジネスの価値観をひっくりかえしてしまいました。これらはテクノロジーの勝利ですが、それを音楽でやろうとしたURは、ひっくりかえすにいたったかどうかは疑問です。確かに、ビッグマネーにのらないところで良い作品を増産してきたのは確かですが、ちょっと感性に頼りすぎていて、リッチー・ホウティンやジェフ・ミルズのやってることに比べて、後ろの方で古い武器を持ってる感覚なんですね。

どこまでも、後ろを向くなら『THE FIVE CORNERS QUINTET』までいくと面白いですが、URが好きなだけに、ちょいと不完全燃焼気味のものを大袈裟に発表されると、日本のリスナーはURならなんでもかんでも絶賛するわけではないと……笑

ところで、『THE FIVE CORNERS QUINTET』も北欧フィンランドなんですよね。アメリカのお株を完全にやられてますね。ここで言えるは、黒人・白人なんて意識することが今やあんまし、意味ないんですよね。ブラックを意識することで、もう、現実的にはあるにしても、古い世界へ踏み込んでしまう。

てなところで、あけましておめでとうございます。

インターネットが時間感覚を完全に狂わした中、『THE FIVE CORNERS QUINTET』の『CHSIN' THE JAZZ GONE BY』をよく聴いてる正月であります(爆)

今年もボツボツ、斜に構えたつぶやきを繰り返してまいります(笑)








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30数年広告畑で畑を耕しています(笑)コピーライターでありながら、複雑系マーケティングの視野からWebプランニング、戦略シナリオを創発。2008年2月より某Web会社の代表取締役社長に就任。snafkin7としてのTwitterはこちらからどうぞ。Facebookはこちらから。
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