2005年08月

2005年08月28日

恋のマイアヒ再考

778767ea.gif今日は、ちょっと時間があったので、「恋のマイアヒ」の猫Flashの原作者・電影駄目虫超さんのサイトの日記なんかを遡って読んでいて、へぇーと思ったことがいくつかありました。

作者さんの日記を2004年からずっと読んでいくと、「恋のマイアヒ」がだんだんとチャートを上っていく様子やavexとのコラボの動きがよくわかります。なんで、読んでたかっていうと、このプロモーションは著作権を超えた大英断であるとか、なんとなく、そういった意見が増えつつあり、おそらく販促雑誌や広告雑誌、広告代理店系のレポートで、一つの成功手法として語られそうなので(笑)その前に、自分なりに整理しておこうかと(笑)

まず、大前提として、世界ヒットしたこの曲は、いい曲だということ(笑)

しかし、ルーマニア語で、日本での火付けはなかなか難しいと予想された。

電影駄目虫超さんの「マイアヒ」猫Flashがネットで話題になり、ネット雑誌で紹介。

avexが2月・3月から、プロモーションに猫Flashをコラボ活用。
同時にこの曲で、第4次パラパラブームもできれば起こしたい意志。

日本盤発売、ユーロビート系、トランス系のCDに組み込み発売。

4月頃からスマスマのホストマンブルースでキムタク・ゴローが「マイアヒ」踊る。

7月のミュージックステーションでO-ZONE、猫Flashバックに歌う。

この頃から、タイアップ・パブ宣伝が増え、オリコンチャート急上昇、8月22日付で1位。

「のまネコ」キャラクターグッズ化。
a-nationで、のまネコ着ぐるみがステージの合間にパラパラ踊る。
TVのスポットで「恋のマイアヒ」CMを投下、avexブランド訴求。


ということで、売れに売れていたり、カラオケでもあるみたいなんで、まぁ、なんにも言うことはないのですが(笑)どうも評論家さんの意見というのは、少し偏ってて、もともとの猫Flashは、音源をそのまま使ってるので、著作権侵害であったが、avexが、この時代、それを追求せず、コラボという手段をとり、プロモーションに応用するといった大英断に踏み切った。いいレーベルじゃないか調ですね(笑)そういう戦略シナリオということで、なんか美しい話なんですが、どうなんでしょう?私はそう、思わないんですね(笑)著作権にあんなにうるさかったavexがそんな急にソフト路線走りますかね。トップは変わったにしろ(笑)私には、CCCDで不買運動にまで発展して、今回は売るためには仕方なしにややソフトな路線をとり、逆利用したような印象を受けるんですね。音楽の著作権と猫Flashの創造世界の著作権? なんかそういう構図を見ないと…てな感じです。

私の感じでは、電影駄目虫超さんの原型の過激な空耳猫Flashは、音楽以上に独創性とパロディ精神があって、独特の世界があるので、創作時点で、ネットで個人サイト発信という意味では、もう一つの大きな著作権があると思いますがね。なかなか通りにくい意見ですが、2チャン系猫であっても、あのFlashの世界は、創作時点でやはり、もう一つの大きな著作権が発生してると思います。だから、どうのということではないんですが、avexが大目に見たとか、そんな論調はちょっと違うと思いますね。音楽もさることながら、アジア圏での大ヒットはやはり、猫の助けが大いにいったと思うわけです(笑)音楽の著作権もさることながら、猫Flashの著作権も相当なものだと思います。法的には通りませんけどね(笑)著作権というよりは独創性の世界くらいにしときましょうか(笑)

そして、まぁ、作者さんはコラボで舞い上がってはりますけど、元ネタの猫Flashとコラボ後の猫Flashって、圧倒的に元ネタの方が面白いんですね。コラボ後のものは、公序良俗を乱さない、著作権を侵さない、ラインが明確にひかれてて、DVDに入ってるものなんて、ソフトすぎて、なんでハッピーエンドやねん、と、まぁ、そうなるんでしょうけど(笑)ちょっとね、正直、感じますね。だから、ネットでは延々、元ネタが同時に支持されてるわけで、いろんなバリエもありますが、やはり、元ネタのがよくできてますね。

ですから、今回の「恋のマイアヒ」騒動(笑)っていうのは、avexの大英断とは、やはり受け取らないですね。ネットの世界、ネットの中での独創性みたいなのが大きく発達してきて、それの力が、途方もないところにきたかなという感じです。それと、従来型の著作権の概念ではネット時代には、通用しなくなってきていることです。そうでないと、ネットで流行ってるものをピックしてきて、マスメディアで仕掛けていけば、ヒットにつながるというような論調になってしまうのが嫌なんですね。基本的にはフリーの世界であるネットのものを、商業流通の世界に持ってきて、また著作権で縛ってしまうという変な構図になってしまう(笑)「恋のマイアヒ」完結編というのは、著作権の完結編みたいなものですからね(爆)

今回、あの猫にとって(笑)いちばん幸せだったのは、原型のまま、ネットで流通している時だったんじゃないかと思います(笑)思いっきり、酒飲ましてた頃ですね。毛布をかぶせて、ハートマークなんか、望んでなかったでしょう(爆)その姿で多くの人の前に出たことが、はたして幸せだったかどうか、ネットとマスメディアの融合とかよくいわれてますけど、気分的には、ネットはネットの世界で完結して欲しい欲望があります(笑)

売れたからいいじゃない。まぁ、そうなんですけどね(笑)

タワレコのクラブミュージック売場の一部が猫だらけというのもなんだか(笑)
まっ、いいんですけどね(笑)


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恋のマイアヒ関連記事2






2005年08月26日

デトロイトテクノ、基本です。

a9d8af14.jpg今年の5月28日~30日にデトロイトで行われたテクノ・ミュージック・フェスティバル“FUSE-IN”のライブ映像を収録したDVD「FUSE-IN DETROIT」が、もうすぐ発売されやす。昨年のは「Movement」というタイトルで発売されましたが、今年から運営団体が変わり、イベント名も「Fuse-in」に変更されて、テクノのジャイアント馬場(笑)ケヴィン・サンダーソンがトータルプロデューサーになっておりやした。この人、日本に来た時なんか、人が見てないと思ったら、自分でまわさず、CDかけて誤魔化してる人だから(爆)要注意(笑)なんですけどね(笑)どうせ日本人なんか、わかりゃしない、みたいに、結構、やってくれる人です(笑)

そのケヴィンの意向で今年は、ヒップホップ色がスパイスされているそうですが、肝心のURの映像が入ってないらしく、UR(アンダーグラウンド・レジスタンス)、まぁ、らしいんですけどね。DVDで演奏してるの、見れること自体おかしいので、それはよしとします。

フェスティバルそのものは、120のアーチストが参加ということで、かなりの規模のものですが、今年からは、資金繰りがどうのこうので有料開催だったらしく、あまりデトロイトらしくないのですが、まぁ、無料では、あまりにも贅沢なイベントなんで、これも仕方ないですわね。昨年のDVDを見ると、結構、日本の女の子も映ってて、いやぁ、どこにでもいる日本人、デトロイトまで顔だすのね、と感動してしまいます。イビザ・マイアミ・ジャマイカ、どこにだって、日本の女の子は出没しています。たくましいというか(笑)いやぁ、いいことだと思います(笑)

ところで、今年のは、まだ手元にないので見てませんが、合計17組の映像が入ってるらしく、フランソワK、カール・クレイグ(エクスペリメントのメンバーで)、女性DJのエレン・アリエン、あとJ・ロック、ピーナッツバター・ウルフ、で、圧巻はまぁ、ケヴィンと、やはり夕暮れ時に女性コーラスと共に登場するアンプ・フィドラーの熱演らしいです。「音楽に合わせて、みんなの愛をデトロイトに捧げようぜ」とメッセージ。まぁ、デトロイトテクノが一番好きな私としては、楽しみのDVDです。

今日も濃いめの大豆ペプチドを飲んで寝ます(笑)






2005年08月22日

アジパンダの戦略?

bbaff220.jpg今回は、ブログテーマとまったく関係ないのですが(笑)無茶苦茶、気になるTVCMがあるので書いておこうかと……

ことの始まりは、ビデオでドラマを見ていると、間のCMで1歳2ヶ月の娘が「キャー!!」と叫びはじめたのです。TVを見ると味の素の「アジパンダ親子編」がやっていて、終わると娘はまた「キャー!!」と今度は絶叫して、もう一度見たい風のベビーサイン。仕方なしに巻き戻しを繰り返し、ドラマの先行きは見れずまま、同じ30秒CMを20分間、見てしまった(爆)

かなり、やるな、アジパンダ!!

見た人も多いと思いますが、このCM、見れば見るほど良くできてます(笑)おそらく、スタートはベーシックなところから、のはず。以下は予想です(笑)→この時代、どうも基本の「味の素」の数字がおもわしくない。根本的に家庭の日常に入り込む大きな戦略が必要だ→味の素ブランドを新しくするキャラクターを持ってくることも考えられる→味の素パッケージをつらつら眺める→パンダの顔がはまるな→しかも味の素のブランドカラーである赤のパンダというのはどうだろう→結構、いいね→じゃあ、CMもそのパンダキャラで展開し、バーガーキングのようなHP、アジパンダの部屋みたいなのをつくってはどうだろう→結構、いいね→じゃあ、決まり、早速、やりましょう!!

と、なったかどうかは、知りませんが(笑)パッケージからリニューアルしぃのCM→HPという流れをキチンとつくってるだけに、まぁ、そんなところだと思いますが、HPでレシピにきっちりと落ちてるので、あぁ、これは、いろいろ料理をさせて、味の素をより多く使ってもらおうとしているのだなということは、そう、大方、はずれてないと思います(笑)現に、私もCMを見た後、CMでやってるレタスチャーハンを作ってしまった(笑)味の素、普段使わないのに、多めに振りかけて…(笑)

商品戦略のことはどうでもいいんですが、このCM、絵コンテから、おそらく、良くできていて、実際に撮影してる時も、結構、いいノリでつくってるのがうかがえます。味の素にしては珍しく、ノンタレで、お母さん役と子役の二人が、「お腹すいたね」で始まり、「チャーハンつくろうか」で、洋服ダンスに隠れている赤いアジパンダが、「チャーハン!!」って叫ぶ。そして親子でチャーハンつくってるところに、キッチンを駆けてきて、味の素を振りにアジパンダが来る。そして去っていく時のあの親子の不思議そうな顔。これがなかなかいいんですね(笑)そして「今日のは美味しいね」と娘が言い、「あー、いう」と聞き取れない声で母親。なんか、凄い会話なんですけど、コマーシャルとしては、音入れ、セリフ入れのタイミングが、抜群で、んん、なかなかいいコマーシャルではないかと、久々に感動した次第です(笑)CMはフィクション、しかも親しみを持ってもらって、好感度であれば、それでいいんです、という本当に正道をいってます。レッサーパンダがこのCMを見たら、思わず立ち上がってしまうくらい(もともと立ちますが・笑・ちなみに、パンダとはもともとレッサー(小さめ)パンダを呼んでいたそうで、1870年頃、ジャイアントパンダが発見されてから、もともとパンダと呼ばれていた、レッサーパンダは、レッサー(小さめ)のパンダと呼ばれるようになったらしく、パンダの世界もいろいろあるみたいですね・笑)

それで、赤パンダ顔の味の素も買ってしまいそうな勢いですが(笑)コマーシャルって、馬鹿らしくてもほのぼのしてるのって、いいなぁと改めて思います。味の素といえば、コーヒーのブレンディのも、原田知世が、柵にペンキ塗ってるのがありますが、あれも、商品のカタチから入ってますよね(笑)かなり、原点帰りしているところから、責めていて、まぁ、結果はどうであれ、いいなという感想です。

これを書いてる間に、「TOKYO美人物語」という番組がやってて、後藤久美子、伊藤美咲、チェ・ジゥなんかが出てるものですが、これも、資生堂の提供番組で、本当の美しさは?なんてのがテーマになって、結構、企業ブランド向上を狙ったものですが、路線としては同じなんですね。どちらも、味の素、美の素の足固めをしてる感じで…(笑)

んん、まぁ、時代的には歪んでいるにもかかわらず、CMの世界はストレート球でせめている。これが、どうクロスして、どう反応するのか?なんとなく楽しみです(笑)




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snafkin7
30数年広告畑で畑を耕しています(笑)コピーライターでありながら、複雑系マーケティングの視野からWebプランニング、戦略シナリオを創発。2008年2月より某Web会社の代表取締役社長に就任。snafkin7としてのTwitterはこちらからどうぞ。Facebookはこちらから。
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